2015.01.10
2015年に注目を集めるテクノロジーのトレンド予測(前編)

アメリカ班デスクの南です。

先日、アップルの初期の製品やソニーのウォークマンなどのデザインを手掛けたことで知られる世界的なデザインコンサルティング会社、フロッグデザインが「2015年のテックトレンド」を発表しました。その内容を2回にわけてご紹介しようと思います。スクリーンショット 2015-01-10 23.19.31 理解しにくいものも少なくないと思いますので、それぞれに動画をつけています。2014年版の予測を振り返っても、「今年のトレンド」と言うには少し時期尚早なものが多いのですが、今後の流れを考える上では参考になるのではないでしょうか。

01. フィットネスとITの融合が進む
運動時の心拍数や体の動きなどのデータが自動的に取得・解析され、より効率的なトレーニングの方法やケガの予防策がリアルタイムで提示される。すでに複数のスタートアップがこの分野のサービス開発に取りかかっており、フロッグデザインが注目企業の一つに選んだSensoria社の以下の動画がその意図するところをわかりやすく伝えています。同社のスマートソックスの底面には圧力センサーがあり、スマホのアプリがその信号を解析してアドバイスしてくれるそうです。



フロッグデザインが注目する企業:Sensoria, Moov, LEO, GYMWatch

02. 「環境知能」を備えた製品が増える
2015年は「環境知能(アンビエント・インテリジェンス)」というキーワードを頻繁に耳にすることになりそうです。コンピュータが利用者の要望により迅速に応えてくれるサービスや製品が増える、とのこと。音声でさまざまな機能を操作できるアマゾンの据え置き型スピーカー「エコー」を、その一例として挙げていますが、下の動画を見れば、音楽やラジオの再生、時間の確認、辞書、目覚ましなどをとてもスムーズに使うことができて驚きます。



注目の企業、サービス:Amazon Echo, Google Now, Microsoft Cortana

03. 体内のナノ粒子が健康状態を測定する
カプセルに入ったナノ粒子を服用し、その粒子が体の中から健康状態をモニターすることで、病気を予防することができる。グーグルXもこの分野の研究を進めており、生命科学チームを率いるアンドリュー・コンラッドは昨年10月に行われたウォール・ストリート・ジャーナル主催のカンファレンスで「医師の下で受けているあらゆる検査が、このシステムを通じて可能になるだろう」と語っています。とはいえ、ウォール・ストリート・ジャーナルは「実用化には、さらに5年以上かかる公算が大きい」と報じていて、活用されるまでには少し時間がかりそうですが……。


注目の企業、人物:Google[x], Danny Hillis

04. 「カジュアルプログラマー」が増える
たとえば、インスタグラムで写真を撮ると自動的にドロップボックスに保存されるといったアプリの連携、あるいは、スマホを使った照明や家電、家の鍵などの遠隔操作、といったことを可能にするツールが増える。複雑なプログラミングをしなくても、IFTTTやWinkのようなツールを使うことで自分の思いどおりにアプリの連携や家電の操作がプログラミングできるようになるそうで、さらにスマホが手放せなくなりそうですね。


注目の企業、サービス:IFTTT, Wink, Zapier

05. 料理が簡単になる
数年前から話題になっている3Dプリンタの活躍の場が、キッチンにまで広がりそうです。砂糖や水などを材料とする3Dフードプリンタ「シェフジェット」を製造している米国の3Dシステムズ社は、今年の家電見本市CESで、好きな形にチョコをプリントする「ココジェット」を発表して話題を呼ぶなど、年明け早々から注目を集めています。またフロッグデザインは、料理と食べる時間を入力すれば自動で調理をしてくれる水槽のようなキッチン用品「メロウ」も注目の製品に挙げています。


注目の企業、サービス:ChefJet, Mellow

06. キッチン用品のスマート化が進む
5番に続いて食べ物の話題。料理や食事に使う機器の電子化が進むと予測されています。注いだ飲み物の成分(たんぱく質、カロリー、砂糖量、カフェインなど)がタンブラーに表示されたり、電子レンジで料理のレシピを調べるとその調理に適した状態にスタンバイされるといったキッチン用品のスマート化が進みそうです。


注目の企業、製品:My Vessyl, LG

07. 途上国の多くの人がネットとつながる
国際電気通信連合(ITU)の調査によると、世界ではまだ42億人以上がインターネットを利用できない状態にあります。ただ、気球を活用して僻地に通信ネットワークを構築しようとするグーグルの「ルーン計画」や、フェイスブックなどの企業が連携した「Internet.org」などの活動により、ネットを活用できる人が増えるのではないかと見られています。


注目の組織、計画:Internet.org, Google project Loon, GSMA mAgri

08. ネット上のプライバシー保護の意識が高まる
昨年はiCloudのハッキングが問題になりましたが、今年はネット上でのプライバシー保護を売りにするサービスが話題になりそうです。注目企業の一つに挙げられているサイレント・サークル社は携帯電話での通話、メール、ビデオチャットなどの暗号化サービスを提供しています。また、セキュリティの堅固さが売りのクラウドストレージ「スパイダーオーク」も、元CIA職員のエドワード・スノーデンがドロップボックスの代替サービスとして薦めたことでユーザーが急増しているそうです。


注目の企業、サービス:Silent Circle’s Blackphone, SpiderOak Cloud Storage, Geeksphone, DarkMail Alliance

今回はテックトレンド15のうち前半の8ネタをご紹介しました。残りの7ネタもまた後日、ご紹介する予定です。

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