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「スタンディングデスク」の実力

web R25 1月10日(土)7時16分配信

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「スタンディングデスク」の実力

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「スタンディングデスク」の実力
身長152cmという小柄な町田さんも「相手と目が合って話しやすい」と、絶賛。実際、机の前に 立ってみると作業に最適な絶妙な高さに驚く

一日中続くデスクワーク。最近では、健康への悪影響も取り沙汰されていて、「1日6時間座る人は、そうでない人に比べて死のリスクが40%増大する」という研究結果が公開されて話題になった。“座りっぱなし”を防ぐためには、頻繁に立ち上がる、適度な運動をする、などの対処法が考えられるものの、実践できるかどうかというと意外に難しい。

そんな悩みを解消するために、家具の先進国・デンマークではボタンひとつで机の高さを変えられ、立ったままで仕事ができる「スタンディングデスク」がオフィスのスタンダードになっているという。しかも、「スタンディングデスク」の効果は健康面だけにあらず。その秘密を探るため、オフィス家具のデザインを手がける内田洋行を訪れた。

まず、商品開発部の門元英憲さんにお話を伺ったところ、同社では働き方や働く場を変えることでよりクリエイティブな仕事を生み出す観点から“働くことに適した机の高さ”という観点から、研究を進めているという。

「スタンディングデスクやハイテーブルなど、“高い机”は弊社の商品のなかでも安定した人気を誇り、ここ数年、前年比120%程度で成長しています。そこで昨年、その人気の理由を裏付けるため、テーブルの高さに焦点を絞り実験を行いました」

その実験とは、 高さの異なる3種類のデスクを用意し、それぞれでタイピング(情報入力)やマインドマップの作成(情報出力)、二人一組で行うチームビルディング業務(チームワーク)などの作業を実施して、被験者の脳波から「リラックス値」と「集中力の値」を測定するというもの。3種類のデスクは下記のとおりだ。

1.一般に流通している高さの机とイス
2.標準よりも高い机と高めのイス(ハイテーブル)
3.「立ち作業用の机(イスなし)」(スタンディングデスク)

「2の『ハイテーブル』では情報出力作業がはかどり、3の『スタンディングデスク』はコミュニケーションの取りやすさからチームワーク作業がはかどる、といった結果が得られました。高めの机を使った人々の脳波は、リラックス値と集中力のバランスが良かったのも特徴的です」

情報入力作業では、一般的な高さの机が最も適していたそうで、机の高さは作業効率に大きな影響があることが脳波の観点からもわかったそうだ。

では、「スタンディングデスク」や「ハイテーブル」を取り入れている企業はどんな感想を持っているのだろう。実際に活用している企業を直撃した。

「最初はハイテーブルと高いイスに抵抗があったのですが、実際に座ってみるとさほど違和感なく仕事ができています。また、イスが高く気軽に立てる ので、今までよりこまめに休憩を取るようになり 、座りっぱなしの心配がなくなりましたね」(セントラルユニ経営企画室・町田愛奈さん)

医療設備・医療機器を扱う同社では、昨年4月 からハイテーブルとそれに合う高さの事務用チェアを導入。メールの確認などの簡単な作業は立ったまま行えるため社員 からも評判だとか。

「意外だったのは、一般的な高さの机よりも、座っている人に話しかけやすい点。立っている人と座っている人の目線が同じなので、相手にわざわざ立ってもらったり、自分が屈んだりする必要がなく、そのまま打ち合わせができるのも効率がいいですね」(町田さん)

座りっぱなしを防ぎ、コミュニケーションを円滑にするこれらのデスク。今後、日本のオフィスの常識になる日も近い?
(大貫未来/清談社)
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:1月10日(土)7時16分

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