パナ、福島のデジカメ撤退 天童と中国に工場集約
パナソニックは9日、福島工場(福島市)で主力のデジタルカメラ生産を停止し、5月末までに山形工場(天童市)と中国・福建省の工場に生産部門を集約すると発表した。市場環境の変化に対応した競争力向上が狙いという。福島工場は野菜工場として存続させ、カメラ製造に携わる約300人の従業員は関西地域などへ配置転換して雇用維持を図る。
福島工場は1970年設立。主力のデジタルカメラをピーク時の2007年度に650万台生産したが、13年度は約140万台だった。デジタルカメラ市場は、高画質カメラを搭載したスマートフォンに押され、世界的に縮小している。
同社によると、生産拠点の集約に伴い、山形工場はカメラの一貫生産が可能となり、収益性の向上が期待できるという。
福島工場の従業員はカメラ部門の約300人のほか、12年に取り組みを始めた野菜の水耕栽培部門に20人いる。同社は全廃するカメラ部門の従業員について「本社やグループ企業が集積する大阪方面への再配置を検討したい」と説明する。
福島工場の主力だったカメラ部門の撤退方針を受け、小林香福島市長は「大きな衝撃であり、影響は計り知れない。継続的な事業展開と地域での雇用確保を強く求める」とのコメントを出した。
2015年01月10日土曜日