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デジカメ生産停止へ パナソニック福島工場

 パナソニック(本社・大阪府門真市)は9日、福島工場(福島市太平寺)でのデジタルカメラ生産を5月末までに停止し、山形工場(山形県天童市)と中国・福建省の工場に集約すると発表した。福島工場は、昨年稼働した完全人工型植物プラントで野菜を作る植物工場として存続させる。デジカメ部門の従業員約300人は関西地域などに配置転換して雇用を維持する。
 同社によると、高画質のカメラを搭載するスマートフォンに押され、世界的にデジカメ市場は縮小している。パナソニックのデジカメ事業は平成24年度から2期連続で営業赤字が続いており、業務を効率化して黒字化を目指す。
 福島工場は昭和45年3月に操業した。ラジオ生産からスタートし、ステレオなど音響機器を製造してきた。デジカメ事業は平成16年に始まり、ピーク時の19年度には650万台を生産、従業員は約1500人を数えた。しかし、年々生産台数は減り25年度は約140万台に落ち込んだ。デジカメ部門の従業員約300人の配置転換については今後、希望を聞くとしている。
 野菜工場は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を目指す事業として昨年3月に完成した。発光ダイオード(LED)でリーフレタスなどを栽培している。従業員約20人が担当しており、引き続き業務に従事する。同社は、デジカメ生産停止後の工場の利活用について「検討中」としている。
 山形工場ではデジカメのレンズ部品などを生産している。福島の組み立て工程を取り込むことで一貫生産体制を整えコストを削減する。中国では一貫生産体制をさらに強化する。

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