日本の高校教科書で、従軍慰安婦の強制動員や徴用に関する内容の削除が本格化している。
教科書の出版を手掛ける数研出版は昨年末、高校公民の教科書3種類から「従軍慰安婦」「強制連行」という表現を削除すると決定し、文部科学省がこれを承認した。読売新聞が9日に報じた。
同社は、それまで教科書に載っていた「従軍慰安婦問題、韓国・朝鮮籍の軍人・軍属に対する補償問題、強制連行・強制労働」「日本への強制連行と従軍慰安婦などに対する補償」といった表現を削除した。こうした表現のかわりに、出版社側は「韓国については、戦時中に日本から被害を受けた個人が、謝罪を要求したり補償を求める裁判を起こしたりしている」と記述した。韓日間の争点になっている従軍慰安婦強制動員や徴用問題を、国の問題ではなく個人の問題に矮小(わいしょう)化したのだ。新たな教科書は、4月の新学期から使用される。
各出版社は、4年おきに教科書検定を受けて内容を修正する。出版社が、検定対象ではないにもかかわらず異例の内容修正を行ったのは、日本政府や極右勢力の圧力によるものだ。