中川壮
2015年1月10日11時47分
古代石造物を巡って世界一周したい。そんな夢がたやすくかなう場所が、福岡県中間市にある。
JR中間駅近くにある約400メートルの緑道「屋根のない博物館」。チリ領イースター島のモアイ、エジプトのスフィンクス、ギリシャのパルテノン神殿……。アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの各大陸にある石造遺跡の複製23種30体を眺めたり、さわったりできる。ただし、大人の目線ほどの高さに縮小されている。石碑に刻まれた説明文にはこうある。
「あなたを古代へさそい、人生の初心にふれて頂くのである」
「博物館」は中間市が1988年、その3年前に廃線となった国鉄香月(かつき)線の跡地に1億円以上をかけて建てた。
元市職員の柴田芳夫さん(66)によると、香月線跡地に片側1車線の道路をつくった際、国鉄中間駅付近の幅約8メートル、長さ約400メートルの細長い土地が余った。住宅地としては狭く、「緑道にするしかないか」と柴田さんは考えた。
だが、当時の木曽寿一(じゅいち)市長(故人)は違った。「『開けごま』のかけ声で扉が開き、中で子どもが遊べるピラミッドを建てよう」
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