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タイ 民主化プロセスの進展に注目1月4日 6時37分
去年クーデターが起きたタイでは、軍の影響力の強い暫定政権が続いていて、新しい憲法の制定や民政復帰のための議会選挙などの民主化プロセスが、ことし、どこまで進展を見せるのかが注目されます。
タイでは去年、当時のインラック首相の兄のタクシン元首相の支持者と、これに反対する勢力の対立から政治が混乱し、5月には事態打開のためだとして軍がクーデターで国の実権を掌握しました。
クーデターを率いたプラユット前陸軍司令官は去年8月、暫定政権の首相に就任し、今も戒厳令をしいてデモや集会を禁止しています。
暫定政権は今後、対立解消のための政治改革を進めたうえで新しい憲法を制定し、民政復帰のための議会選挙を実施するとしています。
しかし、政治改革案を提言する評議会や新しい憲法を起草する委員会のメンバーの多数を反タクシン派が占め中立性に疑問の声が出ているほか、当初、ことし秋にも実施するとしていた議会選挙の時期も来年にずれ込む見通しになっています。
タイでは、一連の混乱で主要産業の観光業が落ち込むなど経済の立て直しも課題となっていて、暫定政権のもとで、ことし、民政復帰に向けた民主化プロセスがどこまで進展を見せるのかが注目されます。