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スリランカ 現職が敗北認め政権交代へ
1月9日 18時58分

スリランカ 現職が敗北認め政権交代へ
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8日に投票が行われたスリランカの大統領選挙で、現職のラジャパクサ氏が対立候補に破れて政権が交代することになり、中国との関係を強化してきた外交など、これまでの政策がどの程度見直されるか、注目されます。

スリランカの選挙管理委員会によりますと、大統領選挙は、開票の結果、与党を離反して立候補したシリセナ氏が51.3%の票を獲得し、47.6%の得票にとどまった現職のラジャパクサ氏を破って当選しました。
大統領府の当局者によりますと、ラジャパクサ氏は、9日朝、敗北を認めて滞りなく政権を移行する考えを示し、すでに大統領府を去ったということです。
3選を禁止した憲法を修正してスリランカでは前例のない長期政権を目指したラジャパクサ氏は、25年以上続いた内戦を終結させ、経済成長をもたらしたと実績を強調しました。
しかし、みずから財務相や国防相を兼任し、兄弟を議会や政府の要職に就かせたことで、国民からは一族で権力を独占しているとの強い反発を招きました。
一方、対立候補のシリセナ氏はラジャパクサ政権の保健相や与党の幹事長を務めましたが、去年11月に離反し、ラジャパクサ氏が独裁色を強めていると批判して支持を集めました。
中国との関係を強化したラジャパクサ政権に対し、シリセナ氏は、日本やインドとの関係も重視するバランスのとれた外交を目指す考えを示しており、今後、外交を含め従来の政策がどの程度見直されるか注目されます。

新政権の政策は

今回の選挙では、独裁的と批判された大統領による長期政権を許さないという意志を多くの国民が示し、政権交代が実現することになりました。
ラジャパクサ大統領に対する批判の受け皿となったシリセナ氏は、公約で、大統領の再選を禁止して1期かぎりとし、大統領の権限も縮小するとしています。
しかし、議会による憲法の修正が必要で、具体的にどのように権限を縮小するのか、詳細は明らかにしていません。
外交政策では、ラジャパクサ政権が、多くの市民が犠牲になった内戦を巡って説明責任を果たすよう求める国連や欧米諸国と対立し、その反動もあって中国との関係を深めてきたのに対し、シリセナ氏は、公約で、人権侵害の指摘には人道的な配慮をするとしているほか、中国だけでなく、日本やインドなどとの関係も重視する方針を示しています。
ただ、中国からの援助や投資はスリランカの経済成長に欠かせないという指摘もあり、急激な政策転換は難しいとみられています。
スリランカは、石油などエネルギー輸送を担う海上交通路の要衝にあり、シリセナ氏が安全保障の分野も含めて中国とどのように距離をとり、ほかの主要国との関係を構築していくかにも関心が集まっています。

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