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【朝鮮半島ウオッチ】“ゴールデンタイム”に入った「朴槿恵」「金正恩」 南北首脳会談の可能性は? 

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【朝鮮半島ウオッチ】
“ゴールデンタイム”に入った「朴槿恵」「金正恩」 南北首脳会談の可能性は? 

ソウルの青瓦台で会議に臨む韓国の朴槿恵大統領(聯合=共同)

 朴槿恵大統領は「朝鮮半島信頼プロセス」という対北政策を掲げ昨年2014年は「統一時代の幕開けの年」と名付け、南北を分断する非武装地帯(DNZ)の世界平和公園とする構想や北朝鮮東北部の物流基地構想などを発表した。昨春にはドイツ・ドレスデンで「平和統一構想」を演説し、南北交流協力事務所の設置も北朝鮮に呼びかけている。ただ、いずれも北朝鮮の非核化が前提だ。

 また韓国は現在、5年前の哨戒艇「天安」撃沈事件の報復として、北朝鮮に対し「5・24制裁」と呼ばれる措置を取っている最中。中身は政治家の訪朝不可、南北貿易中断、新規投資禁止、対北支援事業の保留-などだ。対する北朝鮮は「天安」事件を「韓国の謀略」として犯行を認めていない。このほか、金剛山観光開発で韓国女性が射殺された事件(2008年7月)問題も韓国側が謝罪や真相究明を求めているが、北朝鮮は放置したまま応じていない。

 南北首脳会談に向けた高官協議が再開しても、(1)北朝鮮は核問題の協議に応じるのか(2)5・24措置の扱い(3)金剛山女性射殺事件の扱い-といった、双方の立場が真っ向から対立している課題の調整問題が避けられない。

 朴槿恵氏が提唱している「朝鮮半島信頼プロセス」は構想実現に向け「統一準備員会」も組織され、昨年から動き出した。ただ「プロセス」の中身で核問題をどうア扱うのか、運用にどの程度の柔軟性が含まれているかなど不透明な部分がある。日本など周辺国への説明では、「対話と圧力」が基本で、関与政策に近い漸進的・段階的な統一構想とされている。

 内政で閉塞(へいそく)感が漂う朴槿恵氏と、内外ともに苦境の金正恩氏は、互いの事情を値踏みしながら南北首脳会談に向け動き出すのか。朝鮮半島の2015年の見どころとなりそうだ。

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