仏 2つの現場で警察突入 容疑者兄弟死亡1月10日 2時06分
パリの新聞社が襲撃され12人が死亡した乱射事件などに絡んで、フランスで起きていた2つの立てこもり事件で、警察が現地時間の9日午後5時ごろ(日本時間の10日午前1時ごろ)、相次いで突入しました。
現地の複数のメディアはこの突入で乱射事件の容疑者の兄弟が死亡したと伝えています。
フランスの捜査当局によりますと、9日午前9時すぎ(日本時間の10日午後5時すぎ)、パリから北東におよそ40キロのダマルタンアンゴエル近くにある会社に2人の武装した男が人質1人を取って立てこもりました。
フランスのカズヌーブ内相は、この2人がパリの新聞社を狙った乱射事件の実行犯のサイド・クワシ容疑者(34)と弟のシェリフ・クワシ容疑者(32)だと断定していることを明らかにしています。
警察は建物の周囲を包囲していましたが、現地時間の9日午後5時前(日本時間の午前1時前)、建物に突入しました。
フランスの複数のメディアは警察筋の情報として、この突入作戦で立てこもっていた容疑者2人が死亡し、人質は解放されたと伝えました。
警察が突入した際、現場付近では大きな爆発音や銃撃の音が聞こえ現場付近では煙が上がりました。
一方、この立てこもり事件の現場から40キロほど離れたパリ東部のユダヤ教の戒律に基づいた食料品を販売する店で起きていた別の立てこもり事件でも、現地時間の9日午後5時すぎ(日本時間の午前1時すぎ)、特殊部隊が店の中に突入しました。
この事件についてAFP通信は、銃を持った男が、5人を人質に取って立てこもっていたと伝えていました。
現地からの映像では現場付近で3回の爆発音が聞こえたのに続いて特殊部隊の要員が一斉に突入する様子が確認できました。
このあと、店の中から人が抱えられて連れ出されるような様子も確認できましたが、人質の安否など現場の詳しい状況は分かっていません。
AFP通信は、飲食店に立てこもっていた男は前日の8日、新聞社の乱射事件とは別にパリの南で警察官1人が死亡した銃撃事件の容疑者の男と同一人物だと伝えています。
この事件でフランスの捜査当局は男女2人が武装したまま逃走しているとして顔写真を公表し、情報の提供を呼びかけていました。
2人は、32歳の男のアメディ・クーリバリ容疑者と26歳の女のハヤット・ブメディエンヌ容疑者です。
地元のメディアはユダヤ系の食料品店に立てこもっている男がクーリバリ容疑者だと伝えています。
このクーリバリ容疑者についてAFP通信は、新聞社を襲撃した兄弟のうち弟のシェリフ・クワシ容疑者と面識があったと伝えています。