植村隆さん提訴「私は捏造記者ではない」〜 歴史修正主義者への反撃はじまる | |||||||
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植村隆さん提訴「私は捏造記者ではない」〜 歴史修正主義者への反撃はじまる*写真=提訴に臨む植村さん(TVニュースより) 1月9日、慰安婦捏造とバッシングを浴びていた元朝日記者・植村隆さんが東京地裁に「名誉毀損裁判」を起こした。植村さんは、「週刊文春」および西岡力氏によって捏造記者とされ、社会的信用を傷つけられ、個人攻撃を浴びたとして、両者に記事の訂正・謝罪・損害賠償を求めている。弁護団は170名で「これは植村個人の問題でなく、日本の民主主義・言論の自由がかかっている大問題」と全国の弁護士が結集した。提訴後の報告集会が参院議員会館講堂で開催された。たくさんの市民がかけつけ、会場を急遽変更したが、300人近い人が詰めかけた。「私の人権、家族・友人の人権、北星の仲間を守るために提訴した」。植村隆さんは、提訴にいたった経緯と決意を時には涙を浮かべながら、じっくり語った。話おわると激励の拍手が鳴り止まなかった。 この日は、外国特派員協会で記者会見があったがその冒頭スピーチ全文は、「弁護士ドットコムニュース」に配信されているので参照されたい。↓ 筆者が一番関心をもったのは、家族まで標的にされ、犯罪者扱いされ、あれだけのバッシングを浴びながら、裁判提訴に立ち上がった植村さんの心境の変化だった。報告集会で発言した「北海道新聞」の記者の話によれば、北星学園大学もバッシングの中で、2015年の「雇い止めはやむなし」が学内の大勢の意見になっていた。それが、12月17日に「雇用継続」という大決断をしたわけだが、そうした動きをつくりだしたのは、市民の声・市民運動の力だったという。北海道新聞の記者はこう語っていた。「朝日がバッシングにあってから大手のマスコミはひるんでしまった。植村さんへのひどい脅迫の事実も知っていたが、恐くてどこも書かなかった。ジャーナリズムが植村さんを見殺しにしていたのだ。それを救い変えたのは市民たちだった」。 当初、北星学園大学には800通近くの脅迫めいた「植村やめろメール」が届いていた。そのとき植村応援メールはわずか10通だった。それを知った市民の間から、応援メールの呼びかけが全国に広がり、たくさんの応援が寄せられるようになった。また、10月6日に弁護士・学者・市民が中心になった「負けるな北星の会」がつくられ活動を開始した。これらの動きが北星学園大学の「雇い止めやむなし」の雰囲気を変えていったのである。 また、植村さんの心境の変化に最初の火をつけたのは、狭山事件の主任弁護士でもある中山武敏弁護士だった。北海道で10月に会ったときに中山弁護士は植村さんに「一緒にたたかおう。この問題は植村さんだけの問題ではない。日本の民主主義の問題だ」と語りかけたという。「暗闇の中に光が見えた」と植村さんは、そのときの感動を語った。 植村さんは娘がネットに顔写真をさらされて攻撃された話では、涙声になった。「私は攻撃されても仕方がない。でもなぜ関係のない家族をやるのか。気丈な娘で平気を装っていたが、弁護士から事情を聞かれたとき初めてボロボロと涙をこぼしたのを見た。本当はつらかったんだな……」。植村さんの言葉が詰まった。 名誉毀損を訴えた相手は、「週刊文春」と西岡力氏。植村さんは実際に脅迫をした人間よりそれを扇動したジャーナリズムの責任を問うている。「今回の脅迫・バッシングを誘発したのはこの両者のフレームアップの記事である。これは言論テロである。かれらには法的責任をとってほしい。それを司法の場で証明したい。そうすれば北星への攻撃もなくなる」。そして話の最後はこの言葉で締めた。「私は捏造記者ではありません! 不当なバッシングには屈しません」。会場から長い拍手が続いた。 その後、集会では、激励のリレートークが16人からあり、問題の本質が浮かび上がってきた。「名乗り出た慰安婦の名誉をまもるたたかい」「日本軍慰安婦をなきものにし、侵略の歴史を改ざんしようとする歴史修正主義者たちとたたかい」「問題の根っこは朝日攻撃。朝日の政権批判をつぶしたい安倍政権の狙いがある」。植村さんのたたかいは、歴史を修正し、戦争できる国にむけて日本を強引にねじ曲げていこうとする安倍政権に歯止めをかけるたたかいでもあった。(M)
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