2015-01-09

男子高生だった時に痴漢されてわかったこと(長文です)

もう10年近く前の体験だけど、あまり見ない男の痴漢被害者意見として還元できることもあるかもしれないのでここに書く。

その時のことはまだかなり覚えていて、詳細に書きたいので嫌な人は下の段落は読まない方がいいと思う。女性痴漢被害に比べたら大した経験ではないだろうが。


高校2年生の時だった。都内のかなり混む朝の通学電車でのこと。

つり革を両手で持って、ドアの前のスペースに乗っていた。満員電車とまではいかないけど、四方体が軽く触れるぐらいの混み具合。

乗って次の駅を出た後、後ろからケツを掴まれた。「えっ」って思った。嫌な時の心臓のドキドキがあって、「女と間違えられてるのか?」とも思ったが、学ランを着ていたしそれはまずない。

でも自分痴漢されていることをまだ信じられなくて、呆然としているうちにケツを揉まれて、誰かが密着してきて、首に男の呼吸を感じて、肛門のあたりを強く指でいじられた。痛かった。

それが5分ぐらいで、駅をとばす急行電車だったのでやっと次の駅についた。一旦痴漢は止まったが、車内は余計に混んできて、また始まった。股間を尻に擦り付けられてるような感触と、調子に乗ったか乱暴に触られた。それでまた5分くらい。自分の降りる駅について、すごい勢いで降りて逃げるように改札から出た。自分の前の方向がドアだったので、犯人は見ていないし見たくもなかった。


これが自分痴漢経験。書いていて嫌な気分になった。あの直後は怒りや嫌な気分になるというより、「何で?」という気持ちで呆然としていた。その後、段々と自分自尊心を傷つけられたような、怒りと嫌な気分でいっぱいになった。昔チャラいヤンキーみたいのに絡まれてこっちが悪くないのに謝った時にちょっと似たような気分になったけど、それよりもやり場のないような、救えないような嫌な感じだ。親にも友達にも言えなかった。まあそれも一回きりで、数年であまり思い出すこともなくなったけど、痴漢話題を聞くとその時のことを思い出す。


その時の経験からわかったことを書き出す。

・抵抗は全くできなかった

まず、男だったし世間知らずだったからもあるが、痴漢された事実を心が受け入れるのに時間がかかった。そして、こっちが被害者なのに酷く後ろめたい気分になって、早くやめてくれやめてくれと願うだけで、その場で言うことはもちろん出来ないし、いまだ誰にも話してない。犯人は怖かったが、その怖さはヤクザが怖いっていうより宇宙人が怖いって感じだった。理解できない、異質なものに対する恐怖と言うのが近い(念のため言っておくが自分異性愛者で相手が同性愛者だからではない)。途中の駅で降りることもできたが、蛇に睨まれた蛙じゃないけど気が動転していて動くことができなかった。まあ、もう一度痴漢にあったら今度は途中で抜け出すことぐらいはできると思うが。


ゲイの人が一時的に嫌いだった

これは書かない方がいいと思うけど、性犯罪被害者に対する男女の反応の違いを見て、書いた方がいいと思ったから書きますすみません

もちろん、ゲイの人でそんな卑劣なことをするのはほんの一部なのは頭ではわかっていたのだが、だけど感情的にはゲイというだけで嫌なイメージがついてしまっていた。自己嫌悪にも陥ったが、これは数年間はどうしようもなかった。今は運良くゲイ友達も出来て、そのような根拠のない感情はなくすことができたと思う。何が言いたいかというと、性犯罪被害者女性が男全般に対して、(男から見て)いわゆる「主語がでかい」過剰な反応を示しているように見えることがあるかもしれないが、それは本人にだってどうしようもない強い感覚なんだと思う。自分なんて一回だけでそうなってしまったのに、その何百倍って被害にあっている女性はどんな気持ちなんだろうか…て考えると、ね。そして、これはもう当たり前のことだが、被害者感情を大切にすることも、性犯罪への対策の一つだ。


女性痴漢について

自分は服の上から触られただけだが、それでもあの嫌な感触と嫌な感情はずっと後を引いた。これが、何百回ってされたり、性器に指を突っ込まれたりしたら、そんな世の中だったら、自分だったら自殺してもおかしくないと思う(もちろん被害の大きさに対する個人の感じ方は大きい方にも小さい方にもそれぞれであるが)。高校生の頃は男子校だったこともあり、男同士でふざけて体を触り合ったり、ホモっぽい感じの人もいたが、実際にあった痴漢はそういうものとは全くの異質のものだった。触られること(実際の被害)よりも、相手の意思無視して相手を自分の欲望のために使うっていう、理解できない存在に対する根源的な恐怖があるんだと思う。

前に、「痴漢の恐怖は自分より肉体的に強いもの一方的搾取される恐怖なのだから男性痴漢にあう女性の気持ちを想像する時には、自分より体のデカい屈強な男を想像するといい」という趣旨ブログがあったが、痴漢の恐怖はそれだけじゃないと思った。フィクションの中に出てくるサイコパス的な犯罪者に対する恐怖、というようなものだろうか。体格が怖いのではなく行為が怖いという感じかな。まあ、今から考えると、だけど。


痴漢被害経験を話合うことについて

どこかで「男性は実際の痴漢に対して認識不足から、近しい女性に聞いてみたらどうか」って(多分)女性コメントを読んだけど、どうだろうか。自分は母も女兄弟もいて、何人かの女性と付き合ったこともあるけど痴漢について聞いたことはないし、聞いていいのかもわからない。まあ自分自身リアルでは自分経験をあまり話したくないからかもしれない。確かに経験談を聞くということは認識を改める上で非常に有効だと思うが、ちょっとそこのところはどうなのか気になってしまう。



以上、あくま自分個人の経験談と、そこから感じたことです。とりとめなく長くなってしますみませんでした。

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