場所前の本格的な稽古を打ち上げた遠藤=埼玉県草加市の追手風部屋で(永井響太撮影)
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東前頭3枚目の人気力士・遠藤(24)が8日、所属する埼玉県草加市の追手風部屋で場所前の本格的な稽古を打ち上げた。上位との対戦圏内に番付を戻した若手のホープは正月におせち料理で験担ぎ。縁起物に乗っかって敢闘賞を受賞した昨年初場所のような輝きを取り戻しにいく。
おせち料理にあやかって遠藤が1年の始まりを告げる土俵へ向かう。「芽が出るようにくわい、まめな人になるために豆、視界がよくなるようにレンコンを食べました」。遠藤が上機嫌で正月に食べたものを明かした。
大きな芽の出ることからくわいは出世、黒豆はまめに働くことに加え、無病息災を祈願する。穴の空いたレンコンは将来を見通せる縁起を担ぐ。ケガなく新三役、その先の大関昇進−。そんな出世街道を見据えるようだ。
まめな人になると願いを込めたことには、頓挫しかけている目標からかもしれない。昨年11月から遠藤は「手帳は高橋」で知られる高橋書店のCMに出演。「手帳を書こうかな」とことしの目標を掲げていたが「1月に入って予定がガツガツ入っていない。つけることがない」と苦笑い。初場所でファンを沸かせられれば、イベントなど引っ張りだこになって手帳も必要となるに違いない。
8日は十両大栄翔らと14番で13勝1敗。「感覚的にはいい。場所でしっかり取り切ることで声援とか期待に応えられると思う。あとはやるだけ」と調整もバッチリだ。昨年初場所で永谷園のCMが始まり、敢闘賞も受賞。遠藤フィーバーの幕開けを飾った。おせち料理で験担ぎしたホープが縁起のいい場所から再び旋風を巻き起こす。 (永井響太)
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