日本のロッテホールディングス(HD)が、辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)副会長について、兼任していたロッテ取締役、ロッテ商事社長、ロッテアイス取締役の職を解いたことが分かった。共同通信が5日報じた。辛東主氏はロッテグループ創業者、辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏の長男。辛東主氏はロッテHDの副会長職は維持する。ロッテHDは「昨年12月26日の臨時取締役会で決議した」と説明しただけで、解任理由については明らかにしていない。
日本のロッテは辛格浩氏(ロッテグループ総括会長)が1948年に創業した非上場企業で、ガムなどの製菓事業によって日本で急成長。プロ野球の球団も保有している。韓国には1967年に進出、ロッテグループを設立してホテル・流通・精油化学などの事業を展開した。
長男の辛東主氏は日本の事業を、次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)ロッテ会長は韓国の事業をそれぞれ統率するという形で後継者の地位を固めたとされていた。だが持ち株の構造という意味でははっきり区分されていないようだ。ロッテグループの支配構造は、辛一族が日本のロッテHDを支配し、日本のロッテHDは韓国ロッテグループの事実上の持ち株会社「ホテル・ロッテ」を支配している格好だ。昨年には辛東主氏が韓国のロッテ製菓の持ち株比率を拡大し、経営権争いの可能性も取り沙汰されていた。
辛東主氏の突然の解任について、財界では「グループの後継構図と関連があるのでは」との見方が出ている。財界のある関係者は「辛東主氏が後継者として辛格浩会長の信頼を失ったため職を解かれたのではないか」と話した。しかしロッテグループ側は「日本のロッテと韓国のロッテはオーナーが同じ家族というだけで、経営は完全に別になっている。われわれもメディアの報道を見て初めてこの事実を知り、これ以上のことは何も知らない」と説明した。