ほっきょくものがたり
それは
2年前の夏のことでした
ねこの森で
ごはん配りを終えた後
ちくさあの海さんへ車を走らせていると
道の真ん中に
ねずみのようなちいさなちいさな生き物がうごめいていました
気づいた
くまちゃんは
とっさに車輪をかわしました
もこもこの生物を
車輪と車輪の間によけて
踏まずに済んだのですが
ホッ(― ― 。) ホッ(・・;)
悲鳴のような鳴き声がするので
降りて確認してみると
道の真ん中にいたのは
黒白の縞々柄の
こねこちゃんでした
ハイハイもできず
這うように
誰かにたすけを求めるように泣き叫びながら
道の中央に飛び出していました
そのこねこちゃんを
呼び止めるかのような声をあげていた
別な子ねこちゃんもいました
「
危ないよ
戻ってきて! 」
そんな感じの鳴き声をあげていたのでしょう
まんまるの子ねこちゃんは
くろしまの子ねこちゃんをつぶらな瞳で見つめながら
心配そうな表情をしていました
そのこねこちゃんは
えみたんのように
ミルクティー色をしていました
さらに
そのこねこちゃんの背後に
消防団の倉庫の建物があり
その入り口近くに
小さなお茶のダンボール箱が倒れておかれてました
倒れていた
お茶のダンボール箱には
別なもっと小さな二人のこねこちゃんが丸まっていました
道の中央にでていたくろしまの子ねこちゃんは
一緒に捨てられた兄弟達を助けてほしくて
道を這いながら飛び出してきたのだと想いました
私は
持っていたタオルで
その4人の子ねこちゃんをくるんで
ちくさあの海さんに連れて行き
どうかこの子達が無事に育ちますようにとおいのりをしました
アパートに連れ帰って
ぬるま湯で軽く洗って乾かした後
4人の子ねこちゃんたちにみるくをあげました
みんなお腹が空いてたのか
ごくごくと みるくをよく飲みました
4人のこねこちゃん達の
一番小さな子には
ことりちゃんという名前をつけました
ミルクティー色のえみたんに似た小さなこねこちゃんには
こえみちゃんという名前を
最初に道の中央に飛び出して
兄弟達をたすけるように声を上げていた
くろしまの子には
えとちゃんという名前をつけました
そしてもう一人 えとちゃんにとても似た模様の子がいて
この4人の子ねこちゃん達
みんな合わせて
ことりちゃんチームと名づけました
ことりちゃん達は
うちの他のねこ達からも慕われ
かわいがられました
とりわけ
えみたんは
自分の模様によく似たミルクティー色のこえみちゃんを気にいったのか
我が子のように愛おしみ
毎日 こえみちゃんをペロペロ舐めにきていました
そんな折
こんな夢(あめ)を見ました
誰かが
ことりちゃん達の存在に とても大反応して
その反応をした様子を見た
痩せた犬のような男の人達
紙切れのように存在感のない女性達が
ことりちゃん達を狙っていたのです
その夢を見たこともあって
私は
なるべく
ことりちゃん達の写真を
少なくとも こねこの間は 出さずにいようとおもいました
写真をのせなければ
呪をしようにも難しいはず
そう想ってました
その年の8月の夏
やたらと
蝉がアパートの周囲を飛び回りました
からすの鳴き声と共に
蝉の群れが一斉にやってきて
アパートをぐるりと取り囲むような配置をして
アパートの壁面
目の前の木さん
ドアの前にびったりはりつくように止まって
ジージー鳴いていたのです
何故だか
蝉は何度も何度も
アパートの中に入ろうとしていました
入ろうとするたびに追っ払っていたのですが
ある夜
ねこの森に慌てて行こうと出かけていた夜のこと
ごはんをもって出ようと
ドアを開けたすきに
ドアにはりついた一匹の蝉が
アパートの台所へ入り込んでしまいました
そして蝉は台所に積んであった
食べ物などの物陰に隠れ
姿をあらわしませんでした
入ってきた蝉を追いだそうと探したのですが
見つかりません
でももうねこの森に行く時間が迫っています
仕方なく蝉は帰ってきてから
また探すことにしました
でも
なんだか嫌な気配を感じました
ひょっとすると
誰かの呪の動きに反応したのかもしれない
考えすぎかもしれないとも想ったのですが
念の為
ことりちゃん達は
台所から離れたケージの中に入れました
台所に蝉が隠れていても
離れたケージの中に入れておけば大丈夫だろう
そう想ったからです
ねこのごはん配りを終えて
朝近く アパートに戻ってくると
前夜あれだけ見つからなかった蝉が
部屋の窓のところにいました
窓を開けた途端
蝉はすぐに飛び去っていったのですが
ケージの中のことりちゃん達を出して
ミルクをあげようとしたら
4人の中で最もちいさなちいさな
ことりちゃんが固くなって 息を引き取っていました
その数時間前
ねこの森にでる時
あんなに元気でチーチー
ミルクを欲して泣いていたのに
動かなくなったことりちゃんを見て
兄弟達は哀しそうに泣いていました
その後
他の兄弟の子猫たちが次々と食欲を無くしたり
ぐたっと体の気が抜けるような状況が続きました
当時よく診てもらっていた
アパートすぐ近くの動物病院に連れて行き
容態を見てもらったのですが
まず食欲が無くて
入院してたこえみちゃんが
すぐに息を引き取りました
えみたんがとても哀しみました
そしてこえみちゃんと同じころに入院をしていた
くろしま模様の えとちゃん
入院後
もう回復しましたと 女医さんに診断されて
アパートに戻ってきたのですが
アパートに戻ってきたその夜
すぐに 亡くなったりしました
そして残ったひとりの子も
急に食欲を無くし ぐったりしたのですが
私は動物病院の女医さんに
残ったひとりの子は
もっときちんと検査をして
治療をしてくれるように頼みました
お金はかなりかかったのですが
病院の人は
最後に残ったひとりに管を通し
強制給餌をし続け
点滴と治療と
1か月の長期入院の後に
最後に残ったひとりのこねこちゃんは
無事退院することができました
最後に残ったひとりのこねこちゃん
その子には
えおちゃんという名前がついていました
あめで教えてもらったのです
「
この子ねこちゃんの名前は
えおちゃんって言うんだよ
えおちゃんは妖精さんみたいに見えて 妖精さん 」
でも
えおちゃんという名前をつけてから数日後のこと
あめで子供の姿をしたドールたちが
えおちゃんに反応して
「 えお! えお! 」と言いながら えおちゃんの事を追いかけまわしていました
そしてドール達が大反応しているのを見た
他の人達も
えおちゃんに狙いをつけ
「 あいつから持って来い 」と命令してるのが見えました
彼らの目には
ねこが人の姿のように見えてるようでした
そして
その夢を見た後
えおちゃんが急に咳き込んだり
鼻水ぐしゅぐしゅになったり 体調が悪くなっていきました
一体どうしたらいいんだろう?
そう想っていた時のことです
くまちゃんがえおちゃんがお腹いっぱいごはんを食べてる姿を見て
その後
えおちゃんの身体を抱きかかえて
「 おなかぽんぽんだね 」
∧∧\(― ― )ノシ
と言いながら
ぽんぽんになった
「 ぽんぽん おなかぽんぽん 」と触っている姿を見て
これだ!
(*゜▽゜ノノ゛☆
と想い
えおちゃんに
おなかぽんぽんちゃんと言う別名をつけて呼ぶことにしました
するとえおちゃん こと
おなかぽんぽんちゃんは
目ヤニ
鼻水などの症状が続いたものの
食欲を無くしたり息切れするようなことはなくなりました
えおちゃん と呼ばなくなったせいなのか
えおちゃんをつけ狙う人達の夢も見なくなり
とりあえずホッとしました
そして
1年以上が過ぎました
おなかぽんぽんちゃんにはひとつ悩みがありました
おなかぽんぽんちゃんは
うちで一番ごはんをモリモリと食べていたのですが
いつまで経っても大きくならなかったのです
1歳を過ぎた頃
目の治療で別な病院に連れて行った時も
その動物病院の先生に
「 生後3か月ぐらいの子ねこだね 」と言われたぐらいでした
ぽんぽんちゃんは
自分の身体が小さい事を
いつもとってもとっても気にしていました
おっきくなろうと
モリモリ食べていたのですが
生まれつき感染症にもかかっていたのか
お腹が弱く 下痢も多くて
あまり大きくなりませんでした
うちにいる猫たちの中で
小さなその姿をとてもとても気にしていました
でも
新しい子ねこ達を拾って
最初
その子達が来た時は
とてもうれしそうにしていました
自分よりちっちゃい子ねこが来ると
ぽんぽんは自分がとても大きくなった気がするのか
こねこ達に向かって目を輝かせ
「 ちっちゃいね ちっちゃいね
(ぽんぽんは)おっきいねおっきいね 」
うれしそうにそうお話ししていました
でもうちに来た こねこちゃん達が
数か月すると ぽんぽんと同じ大きさになり
やがて一年近くたって
ぽんを超える大きさになると
大きくなったねこちゃんたちを切なそうに見ながら
こう言いました
「
おおきいねおおきいね
(ぽんぽんは)ちっちゃいねちっちゃいね・・ 」
おなかぽんぽんちゃんは
お出かけするのがとても好きでした
東京とか
ちくさあとか
たかやま古墳とかも
さくと一緒にぽんぽんはよくドライブをしました
夜になって
街の夜景とか
あちこちの家を飾ってるちょっとしたイルミネーションを見つけると
目を潤ませながら こう言いました
「
とてもきれいぽん
なんだかとても得した気がするぽん 」(ぽんぽんちゃんの言葉)
街のちょっとしたイルミネーションに喜ぶ
そんなぽんぽんちゃんの姿がかわいくて
何度もあちこちにドライブに連れて行き 夜景を見せました
パスタや
麺類もとても好きで
私がパスタを食べていると
いつの間にか
横から一緒の麺をすすったりしています
∧∧))((・・;)
そうして
ぽんぽんがうちに来てから
2年以上が過ぎました
2014年11月
えみたんが急に血ゲロを吐くようになりました
一日に何度も血を吐き
食欲も無くなり 見るからに痩せこけて行きました
私は
新しい動物病院にえみたんを連れて行き
治療をしてもらいました
入院をした後
えみたんの食欲は戻り
血のゲロを吐くこともなくなったのですが
えみたんが回復したすぐ後に
今度はまぐろちゃんが
そしてぽんぽんちゃんが
ゲロを何度も吐きました
ふたりとも
食欲を無くしていきました
私は病院に
まぐろちゃんとぽんぽんちゃん
両方を連れて行きました
でもえみたんの時とは違い
治療しても食欲は戻りません
連日
病院で強制給餌をしてもらったりもしてたのですが
他の治療もしてもらう為に ふたりを入院しました
入院後のある日のこと
ふたりの
面会に行った時
まぐろちゃんがアパートに早く戻りたがってるのを感じました
ぽんぽんちゃんは
元気そうだったのですが
ぽんぽんちゃんもちょっと寂しそうにしていました
でもふたりとも
まだ自力で食べることはできません
すると先生は
ふたりに管を通して
アパートに連れ帰って
アパートでも強制給餌ができるような処置をとることを提案しました
そして面会の翌日
処置が終わったらふたりを退院させるという運びになりました
その日は
2014年12月4日
私はぽんぽんちゃんを退院に迎えに行く前に
ねこの森のねこ達用に
金谷にさんまの干物を買いに行きたいなあとふと想いました
(・・;)
かなやに
さんまの干物を買いに行ってから
帰り際
処置が終わった
ぽんぽんちゃんとまぐろちゃんを病院からつれて帰ろうと想っていました
でもくまちゃんにこう言われました
「
かなやには もうさんまの干物が売ってないとおもうよ
だって
こないだ買いに行ったら もう品切れになっていたじゃん 」(くまちゃんのことば)
くまちゃんに
そう言われたので
結局金谷に行くのはよしました
( ― ―) (・・;)
その後
夕方
新しい動物病院にぽんぽんちゃん達を迎えに行きました
すると
病院のお医者様が険しい顔で
二人の病状がおもわしくないことを告げました
とりわけ 前日まで元気だった
おなかぽんぽんちゃんの容態が急に急変したことを言われました
「
できる限りの治療を試みましたが
あまりに容態が急変しすぎて
強制給餌の管を通す処置もできませんでした 」
動物病院のお医者さんはそう言いました
その後
ふたりの姿を見て
私は息を飲みました
まぐろちゃんも
ぽんぽんちゃんも
前日面会に来た時よりも容態は悪化していました
まぐろちゃんの体は意識はあるものの
体が冷たく硬直しはじめていて固くなっていました
ぽんぽんちゃんは
首を起こすこともできず
はあはあっと息を切らしていました
このまま入院させても
ふたりとも
おそらく数時間も経たずに息を引き取ってしまう
それはもう明らかな状態でした
私は迷いに迷った挙句
ふたりを連れて帰ることにしました
もしもこのまま
ふたりが息を引き取るならば
見える所 みんなが見ているところで看取りたい
そう想い
ぽんぽんちゃんとまぐろちゃんを車に乗せました
まだ意識がはっきりしてる
まぐろちゃんはケージに入れて
体調が弱って
倒れ込みハアハアしてるぽんぽんちゃんを
膝の上で抱きかかえました
まっすぐアパートに連れ帰ろう
そう想ったのですが
その時 こんな声が聞こえてきました
「
海へ連れてきて
急いで ちくさあの海へ
ふたりを 急いでちくさあの海へ 連れてきて 」
それはちくさあの海さんの声のようでした
アパートに連れ帰る前に
ふたりをほんのわずかで良いから海に連れてきてほしい
そう語りかけてきました
膝の上のぽんぽんの容態を見ながら
ちくさあの海さんに連れてったら
アパートに帰るまで ぽんぽんは持ちこたえられるだろうか?
そう一瞬想いましたが
でも何度も海の想念に呼ばれました
なので急いで
ちくさあの海さんに向かうことにしました
膝の上で抱っこしたぽんは
息を切らせながら 目を切なく薄く明け
こう訴えかけてきました
「
ぽんは生きたいぽん
まだ死にたくないぽん
生き続けたいぽん 」(ぽんぽんちゃんの言葉)
そう言って
私の服についてた ひもを欲しがりました
ひもが へその緒のように見えたようでした
何かにすがるように
ぽんは
苦しそうな表情で切なそうな瞳で
「 生きたいぽん 生き続けたいぽん 」
息をハアハアさせながら
そう訴えかけてきました
私は
ぽんの目を見つめながら
こう言いました
「
ぽんは永遠にいきつづけるよ
ぽんは永遠に意識を保って
記憶を持ち続けて
永遠に生き続けるよ
ぽんは想いを叶えながら
楽しく永遠に生き続けるよ
好きな時にまた好きな体で生まれかわれるよ
ぽんのことを絶対に忘れないよ
永遠に忘れないよ
ぽんは永遠に生き続けるよ
ずっとずっとぽんのことをおぼえているよ 」
涙を流しながら
ぽんぽんの目を見つめながら
ぽんに そう言い続けました
そしたらぽんは静かになりました
そして
ある物語をお話してくれました
それは
ぽんが聴かせてくれた
最後の物語です
「
北極には
4つの島があると信じられていた
北極の花は
ちっちゃいちっちゃいお花が多い
神話は南極からじゃなく
北極からはじまった 」
「
北極の海底には
4つの島があるぽん
4つの島と
真ん中に磁力
気の穴のような
その気の穴は
水晶のような
金のような
赤くもブルーにもみえる
ちょっと離れると紫の目にも
みえる
その磁力のせんと
4つの島が地上の五本線の原点ぽん
七つの島は南極ぽん
4つの島が北極ぽん
ちくさあはフォーです 」
「
えみたんは
おと占い
まぐろちゃんは
車のコードを狙われたぽん
まぐろちゃんは
車のエンジンに入っていたぽん
だから車のコードがのってるとおもわれて
誰かがそれをねらったぽん
想いだしたぽん
ぽんが
言っていたふぉーは
この北極の話ぽん
北極の4つの島のお話ぽん
ぽんも
ことりちゃん達も
それを狙われたぽん
」
ぽんぽんちゃんはそう言って
私に
その昔
北極には4つの島があったこと
その島が北極の海深くに沈んでいることを
語って聞かせてくれました
私はぽんぽんちゃんに言いました
「
この言葉は誰にも盗られないよ
ぽんの言葉だよ
だから
ぽんのことばで
みんなに伝える
ぽんの言葉で
地球中の人達に伝えるよ 」
何度も何度も
それを言いました
ちくさあの海さんの駐車場につきました
私は
ぽんぽんと
まぐろちゃんの体を抱っこして
ちくさあの海さんの波打ちぎわに連れて行きました
ちくさあの海さんに
ふたりが永遠に生き続けますように
とお祈りした後
海水をすくって
ふたりの額につけました
まぐろちゃんは
静かに吸いこまれるように海を見つめてました
海の音を聞きながら
何かなつかしい表情をしているようでした
まぐろちゃんの体から
何かが抜けて海にかえっていったのを感じました
ぽんは
海を見つめながら
ハアハアと息絶え絶えになりながら
こう続けました
「
ちくさあは フォー
距離じゃないよ
形とエネルギー質だよ
土地もおもいが
響きあった土地にエネルギーが宿るぽん
世界の結界が壊れるぽん
それを恐れてたぽん
」
ぽんは
南極が七つの島がはじまりで
北極が4つの島がはじまりで
ちくさあの海さんと北極は強く結ばれていて
しいかの山は南極と結ばれていることを
地中の奥でとても強くつながってることを教えてくれました
そして私たちは
今年10月8日に
るーちゃんと一緒に
月食を見た浜辺に行きました
そこに着いた時
まぐろちゃんの体をもう一度抱っこしたら
まぐろちゃんの体はもう完全に固くなっていました
口から血が少しこぼれて
息をしてない状態でした
私はまぐろちゃんが
息を引き取ったことに気づきました
そして
ごめんなさいと想いました
ぽんぽんちゃんに比べて
まぐろちゃんはまだもう少しだけ大丈夫そうな気がしていて
だからずっと
ぽんぽんちゃんをおひざに抱えてたけれど
こんな事なら
ぽんぽんちゃんとまぐろちゃん
両方を抱っこしてあげればよかった
かたくなった体を見つめながら
そう想いました
ちくさあの海さんに
こう言われました
「
まぐろちゃんは
海の近くの森で生まれ
生まれた時 育った時
ずっとその海の音を聞いていた
まぐろちゃんは海に戻りたかった
そしてその方がより早く生まれ変われる
近道 」(ちくさあの海さんの言葉)
ちくさあの海さんには
帰る途中に
いつもおさかなを買っていた
スーパーに立ち寄るように言われました
ぽんぽんをアパートに連れ帰る前に
ねこの森のごはんを買う為に
スーパーに立ち寄って
その後ねこの森にごはん配りを行くまでアパートでぽんぽんを見るように
そう言われた気がしました
私は車の中でぽんぽんを抱っこして
くまちゃんにスーパーに
ねこのごはんを買ってきてもらいました
そしたら
その日
くまちゃんが買ってきたのは
さんまの干物でした
いつもはそのスーパーにはないさんまの干物が
何故かその日 目立つところに置いてあって
しかも 半額引きで置いてあって
残っていたさんまの干物
すべて買ってきたと言ってました
病院で
すぐに息を引き取りそうだとおもっていたぽんぽんは
アパートまで持ちこたえることができました
まぐろちゃんの体はもう固くなっていたけれど
私は二人をケージに入れて
ふたりの身体をあっためようと
湯たんぽを沸かして
タオルでくるんで ふたりの入ったケージの中に入れました
湯たんぽをケージに入れた時
ぽんぽんは叫びました
「 あーーーーーーーーーー 」
暖かかったからなのか
温度にびっくりしたからなのかはわかりません
でも
タオルにくるんだ湯たんぽは
タオルの表面までまだ熱くなっていません
でもタオルの奥の湯たんぽに何かを想いだしたのか
何かを感じたのか
ぽんぽんは
あーーーーーっと 切ない声をあげて
その声を最後にして
やがて息をとめました
えおちゃん こと おなかぽんぽんちゃんは
アパートの中で
みんなが見守る中で息を引き取りました
私はくまちゃんが買ってきてくれた
さんまの干物を
すぐに蒸し
できあがったさんまの干物を
まず
えおちゃんと
まぐろちゃんに一本づつプレゼントして
他のねこ達にあげました
そして深夜までふたりの傍にいて
もう一度湯たんぽのお湯を変えてから
残りのさんまの干物を持って
ねこの森に向かいました
翌日の昼
たくさんのまぐろを買ってきました
まぐろが大好物だったまぐろちゃんと
えおちゃんにお供えして
みんなで ぽんぽんちゃん達との最後のお食事会をしました
そして
夕方になる前に
ふたりを埋葬しました
まぐろちゃんには
最初に出会った時
食べさせたまぐろ缶を
うちに来たいと想った理由のまぐろ缶を横に添えて
ぽんぽんには
大きな大きなお刺身と
最後に欲しがっていた服のひも
そしてラピスの指輪を
ひもで作って
そのちいさなちいさな指にはめました
最初
ぽんぽんちゃんこと えおちゃんは
ことりちゃん達のお墓に
一緒に埋葬しようと想っていました
でも死の前日
数日間一緒にい続けた このふたりを
一緒に埋めてあげた方がなんだかいい気がしました
なのでことりちゃんの横に
このふたり一緒のお墓を作り そこに埋葬しました
ぽんぽんは永遠に生き続けるよ
えおちゃんはずっと傍にいて
意識は今もあって
永遠に生き続けるよ
ベビーふっつ―や他のねこ達と一緒に
永遠に生き続けてるよ
永遠に忘れないよ
そうおいのりしている時
ふと気がつきました
そういえばぽんぽんの本名
えおちゃんという名前は
兄弟のくろしまの えとちゃんに
音の響きが似てることを
えおちゃんと えとちゃん
そして
それから毎日 私は
ぽんぽんこと えおちゃんは
永遠に生き続けている
今もずっと意識も記憶も体が生きてた時よりもはるかに覚醒してて
永遠に生き続けてる
私はぽんぽんの事を永遠に忘れない
そう想っているうちに
こう感じるようにもなりました
今まで触れ合ってきた
猫たちとのふれあい
寝てる時とか
パソコンで記事を書いてる時とか
食べてる時にひざに爪を立てて ごはんをせがんできたり
ちょっとその時は・・・
と邪険にしたりしたこともあったけれど
∧∧ (・・;)
でもぽんぽんのことを想いながら
そういうひとつひとつの行動 ひびきあいのすべてが
とてもかけがえのない記憶なんだと感じました
そして
こう想いました
ぽんぽんの記憶
ねこたちとの記憶
そして今傍にいる存在とのつながり
もっと
大事にしよう
今いる この子達との
ひとつひとつの時間をもっとだいじにしよう
もっと真摯に向き合って
何が起こっても
悔いのないように
もっともっとつながりを深め
つながっていこう
私は今つながりあるねこたち
つながりある存在に
そう接しようとおもいました
それをしていくことで
記憶と
つながりを積み重ねることで
ぽんぽんちゃんも
まぐろちゃんも
ベビーふっつ―達も
もっと存在が強く大きくなっていく
「
ぽんの前世
前々世
ぽんはいつまでたってもぽんで
いつまで戻ってもぽん
やっぱりぽんはぽんぽん
違うところにいて
体形も今と同じぽん
ちっちゃいぽん
おそらくこの身体にぽんの魂が宿りやすいぽん
ぽんはいつまでたってもぽん
違うぽんでも ぽんはみんなつながってるぽん 」
http://ohirunegoronyantou.blog.fc2.com/blog-entry-3932.html
ぽんは
前世も前々世も
ずっとちいさくて
いつもこのサイズだったと
言っていました
ぽんは
そんな自分の姿に切なさを感じていたけれど
でもその切ないぽんの姿を
おぼえてくれてる存在がいて
それにより
ぽんぽんの記憶が保たれてる
もしかすると前世の記憶って
人が自分の姿を
自分の目では直接見れないように
自分の記憶も
直接 自分ではおぼえられないのかも
でも他人や想念に
自分の姿が写るように
つながりある存在が記憶してくれて
それにより自分の記憶
前世の記憶も保たれていて
それで生き続けていけるのかも
記憶し続けられるのかもしれない
ぽんぽんは
妖精さんみたい
ぽんの声は
今も時折 私の心に聞こえています