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ネットで論文画像の「類似」、「匿名A」が指摘 東大や阪大などの生命科学系約80本
東京大や大阪大の研究グループが発表した生命科学系の論文約80本に、不正に加工したり、複製したりした可能性のある画像が掲載されていると、インターネット上で指摘されていることが分かった。両大学とも指摘を把握しており、事実確認をしたうえで調査を行うか検討する。
画像に対する疑義は、日本分子生物学会のメンバーによるサイト「日本の科学を考える」に、昨年末から今月初旬にかけ投稿された。「匿名A」という投稿者によるもので、1996~2008年に、英科学誌「ネイチャー」などに掲載された論文約80本で、画像を切り張りした痕跡や類似性が指摘されている。
日本の生命科学論文をめぐっては昨年、理化学研究所のSTAP(スタップ)細胞論文の研究不正が、ネット上で疑義が寄せられたのをきっかけに明らかにされている。
大阪大医学系研究科の研究支援室は「事実関係を確認するが、本格的な調査を行うかどうかは決まっていない」。東大病院の担当者も「情報の確認を行っている」としている。