ドキュメンタリー:映画「花の億土へ」再上映へ 石牟礼道子さんをインタビュー
2015年01月08日
◇東京・中野で17日から
水俣病を鎮魂の文学として描いた「苦海浄土」をはじめ、「近代文明の毒」に警鐘を鳴らし続けている作家、石牟礼道子さん(87)をインタビューしたドキュメンタリー映画「花の億土へ」が17日〜2月6日、東京都中野区東中野の映画館「ポレポレ東中野」で上映される。
作品は2013年に完成。これまで都内や熊本などで上映されたが、再上映を求める声が、製作した藤原書店(東京都)に多く寄せられたことなどから、再上映が決まった。
石牟礼さんはパーキンソン病を患い、熊本県内で現在闘病生活を送っている。東日本大震災をはさんだ2年間に、石牟礼さんが編集者や、音楽家でもある金大偉(きん・たいい)監督に語った「近代とは何か」「文明の行く末」などの言葉を収めた。水俣や福島で起きた惨事への思いが、1960年代の水俣の漁村の写真や幻想的な音楽とともに、紡がれている。
作品は113分。上映は毎日午前10時20分からの1回。期間中の6回、上映後に約30分間、多彩なゲストを招いてトークイベントも開く。日程とゲストは、17日=金大偉監督と作品のプロデューサーを務めた藤原書店社長の藤原良雄氏▽20日=社会学者で、NPO法人水俣フォーラム前代表の栗原彬氏▽24日=宗教哲学者の鈴木一策氏▽25日=作家で歌手の町田康氏▽28日=俳人の黒田杏子氏▽2月6日=金監督。入場料は▽一般1500円▽大学・専門学校生1300円▽中高生1000円▽小学生700円▽シニア(60歳以上)1100円。前売り券(特別鑑賞券)は16日まで劇場窓口で1000円で販売する。問い合わせはポレポレ東中野(03・3371・0088)。
また、22日(時間未定)には福岡市中央区の映画館「KBCシネマ」でも上映される。トークイベント「なぜ今、石牟礼道子か?」も開催。入場料は▽一般1800円▽中学、高校、専門学校、大学生1500円▽シニア1100円。問い合わせはKBCシネマ(092・751・4268)。【平野美紀/デジタル報道センター】