安倍流「戦争の出来る国作り」かるた
屠蘇気分もすっかり抜けた頃と思いますが、かろうじて1月なので、こんな絵柄もお許しいただけるかと思いアップしてみました。百人一首は、伝統的な競技として盛んに行われていますが、「いろはかるた」はどうでしょうか、小さい頃家族で遊んだ思い出があります。標語などをかるたにするというアイディアは昔からあって、小学校などでは標語をかるたにしたもので交通安全などの授業がありました。しかし、こんな具合に作ってみると我ながらひねた大人になったものだとつくづく思います。
①アベノミクスの影で
アベノミクスは短期的には景気がよくなることがあっても、長期的には思わしくないという悲観的な経済学者もいます。素人考えでも、じゃぶじゃぶとお金を印刷すれば、多少金回りもよくなるでしょう。でも、新しい成長産業が育たないまま、公共事業も終わってしまえば、また人が余り、物が売れないということになりそうです。アベノミクスでいう第3の矢が的を得たという話が聞こえてきません。
もしかして、安倍サンもそのことは承知の上で景気のいいときに、積年の思いをやっておこうという気ではないのですか。
②軍備増強の理由を作り
安倍首相の外交を採点すると、決して合格点をあげたいとは思いません。ご近所付き合いが悪いので、遠方にでかけて周辺を味方につけようというお考えのようです。「違う憲法を持つ国同士が友情で結ばれることは不可能だ」と喝破した政治家がいました。「人類はみな兄弟」が夢ならば、それだけ隣国には気を遣いながら接して欲しいと思います。お互いが挑発し合っているようすですが、「ひとが嫌がることをしてはいけません」。
③道徳教育を正課の授業に
「ひとが嫌がることを・・・」というのも小学校で教わった徳目でした。道徳教育にご執心の安倍首相がご存じないわけはないでしょう。道徳教育が悪いわけではありませんが、日本では道徳教育といえば「滅私奉公」「忠君愛国」とお上に都合の良い国民をつくるものだったという不幸な歴史を思わずにはおれないのです。道徳の正課化に併せて、高校では日本史の必修化と新たな「公共」という科目も新設したいそうです。元々歴史は時の政府の都合の良いように解釈されるものだし、教科書には政府の見解を明記することが教科書検定でもとめられています。おまけに、防衛計画のなかにまで「愛国心教育を充実させるべき」と書かれるにいたっては、我が子や孫を学校に行かせてよいものかと思ってしまいます。
④特定秘密保護法の強行採決
そして、特定秘密保護法です。忘れもしない「デモは本質的にテロと同じ」という石破幹事長の言。はしなくも特定秘密法の本質を露呈したものでした。
同法の成立に高まった批判の声に対し、情報保全諮問会議や保全監視委員会などの設置を打ち出しましたが、情報保全諮問会議の座長が読売新聞社会長の渡辺恒夫氏です。渡辺氏と言えば、憲法私案を作ったり、2004年に起こった野球界再編問題で選手側の意見に対し「無礼な事を言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。」と言ったことことが思い出されます。新聞関係者として報道の自由を保障する立場からの起用といわれていますが、第1回の会議後述べたのは、「秘密法は2重3重に権力の濫用がないように作られている」でした。通常の取材の自由は保障するとは書かれてあるのですが、「通常」の規定があいまいで、一般市民が知りたい情報に自由に接することができるかもあいまいです。何か言ったら「たかが国民が」と怒られそうでこわい。
この人も「独裁者」と言われた男
⑤武器輸出3原則の見直し
この「積極的平和主義」という言い回しだけはどうしても合点がいきません。これまでの海外での紛争に、日本が軍隊をださなかったことを「消極的平和主義」だったとおっしゃってるのでしょうか。大量破壊兵器をもっているからとアメリカがイラクに押しかけた2003年のイラク戦争では、時の小泉首相が政治判断で後方支援に自衛隊を派遣しました。結局大量破壊兵器の存在は確認されずじまい。アメリカの石油利権を狙った戦争に荷担させられただけの愚かしい派兵でした。
軍隊よりも「積極的に」平和を創り出している活動があります。戦争などで荒廃した土地に水路を引き、井戸を掘って農地化しているペシャワールの会などのNGOの活動がそうです。
戦争は、貧困や差別などさまざまな原因で引き起こされます。その原因ごとに対策をたててとりくむことが国際的な平和をつくる活動の基本となっています。「戦争で平和は創れない」
⑥集団的自衛権の解釈を変更
安倍首相は24日から始まった今国会で集団的自衛権の解釈を変更すると表明しました。これまでの政府見解は、攻撃を受けたアメリカ軍とともに反撃の戦闘行為を行うことは、憲法上出来ないとしてきました。憲法改正のためには、両院で3分の2の議員の賛成で発議し、国民投票での過半数の賛成が必要です。安倍首相は、これまであの手この手と考えてきましたが、参議院選挙で3分の2議席は抑えられないとなると、96条を改正し過半数の両院議員の賛成で改憲の発議を可能にしようとしました。これも世論の反対が強いと見ると、憲法の解釈を閣議で変えるというのです。「他の国々では、憲法は何回も変えられているのに、日本の憲法は68年間改正されなかった」と改憲を主張する人たちは言います。実は、閣議の決定による憲法の解釈変更は、度々行われているために、憲法を改正する必要がなかったという事情もあります。麻生副総理の「ナチスをまねて」という発言も、今思うと用意周到に進められてきた改憲の計画をついうっかり口にしたのではないでしょうか。
⑦民主主義の岐路でがんばって
衆議院はすでに改憲発議ができる3分の2を与党が占めています。参議院も、維新やみんなの党などが一緒になって、民主党内の改憲派が合流すると非常に危険な状況です。今他の野党にがんばってもらわねばなりません。社民党は特定秘密保護法を廃止する署名活動を始めました。民主党も廃止の法案を提出することを検討しているとか。そして私たちが脱原発で示したような世論の盛り上がりをつくることが必要です。9条へのお手つきを許したくありません。
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