出版案内
福祉事業団
47NEWS

関電、原発安全協定で方針変えず 滋賀県や市町と協議

福井県の若狭湾に立地する原発の安全対策や原子力安全協定の考え方などについて意見が交わされた会議(大津市・県農業教育情報センター)
福井県の若狭湾に立地する原発の安全対策や原子力安全協定の考え方などについて意見が交わされた会議(大津市・県農業教育情報センター)

 福井県にある原発の安全対策や防災について滋賀県と市町、専門家が事業者と協議する会議が8日、大津市内であった。高浜原発3、4号機再稼働に向けて、30キロ圏外の自治体とも安全協定を結ぶ意向を示した関西電力の八木誠社長の発言について、関電の担当者は「協定か約束かというかたちはあるが、内容に応じて(締結)できる」とし、立地自治体の隣接地かどうかで内容に差をつける従来の方針に沿って、協議に応じる考えを示した。

 会議では県や高島市の担当者が、6日の八木社長の発言内容について質問した。関電の勝山佳明・原子力事業本部副本部長は「30キロを超えた地域にもプラントの安全性はしっかり説明する必要があり、要請があれば拒絶せず、意見交換はするということ」と説明した。県側が「立地か隣接かによる協定という基本方針から一歩踏み出したのか」と尋ねたが、「現時点では従来の考えで運用している」と述べるにとどまった。

 一方で、勝山副本部長は「30キロ圏の防災対策と協定の話は切り分けて考えないと混乱する」として、国が緊急防護措置区域(UPZ)としている30キロ圏と、協定対象の自治体とは結びつかないとの考えを示した。

 これに対して京都大防災研究所の林春男教授が「住民を預かる自治体がどう考えるかが防災。その言い方は僭越(せんえつ)な感じがする」と批判し、高島市の古川茂樹防災監も「国の指針で30キロに入った地域に情報を流すのは大事で、その表れとしての協定。別という考えは理解できない」と指摘した。

 会議では関電が高浜3、4号機の安全対策を説明し、日本原子力発電、日本原子力研究開発機構も敦賀市内の原発や高速増殖炉もんじゅの現状を報告した。

【 2015年01月08日 22時48分 】

ニュース写真

  • 福井県の若狭湾に立地する原発の安全対策や原子力安全協定の考え方などについて意見が交わされた会議(大津市・県農業教育情報センター)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース

      スポーツ

      ロンドン五輪代表・新谷さん「自信持って走って」 全国女子駅伝

      20150109000044

        ロンドン五輪(2012年)の1万メートル日本代表で昨年1月に現役引退した新谷仁美さん..... [ 記事へ ]

      経済

      イシダ、滋賀事業所を増強 生産能力1・5倍に

      20150108000141

       計量・包装機器大手のイシダ(京都市左京区)は、主力の滋賀事業所(栗東市)を増強する。計..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      京都・仁和寺に370年前の落書き 大工?天井梁に堂々と

      20150109000055

       世界遺産の仁和寺(京都市右京区)で修理が進んでいる観音堂(重要文化財)で、天井近くの梁..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      ヤギの服、児童が制作 京都の小学校、綿花栽培から織りまで

      20150108000034

       京都府長岡京市友岡1丁目の長岡第四小の児童らが今春から取り組んできた2種類の綿の栽培プ..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      原発立地自治体並みの扱いを
      再稼働地元同意で鳥取知事

      20150109000078

       中国電力島根原発(松江市)から30キロ圏に入る鳥取県の平井伸治知事は9日、原子力規制庁..... [ 記事へ ]

      国際

      フォアグラ禁止法は違憲、米加州
      提供再開の動き

      20150109000080

       【ロサンゼルス共同】米ロサンゼルスの連邦地裁は8日までに、高級食材として知られるフォア..... [ 記事へ ]