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 フランスの週刊新聞社が何者かに襲われた。売り物の風刺漫画への「テロ行為」(オランド仏大統領)と見られる。表現の自由が攻撃の対象となったことに衝撃が広がっている。

 仏メディアによると犯人らは、入り口に居合わせた風刺漫画家の一人にドアを開けるよう要求して事務所に侵入。「シャルリー・エブドはここか」と受付で確認して銃を放った。その後、編集会議をしている3階に上がって乱射したという。AP通信によると、犯人らはまっすぐに発行人のシャルボニエ氏の方に向かい、殺害したという。

 仏紙ユマニテは、現場で殺害を目撃した漫画家の女性の証言として、事務所内の銃撃は5分ほど続き、犯人が流暢(りゅうちょう)なフランス語を話し、国際テロ組織アルカイダの者だと主張したと伝えた。

 黒い目出し帽に黒い服を着て、予備の弾丸を運べるベストを身につけていたとされる。警察関係者によると、軍事的な訓練を受けているとみられるという。

 現場で目撃者が撮影した映像では、路上に倒れた警官が手を挙げるようなそぶりを見せる中、男の一人が素早く近寄って、銃で殺害した。その後に黒い車に乗り込んだ。逃げる途中の出来事だったとみられる。

 米CNNの発生当時の映像では、「シャルリー・エブド」のそばの道路上を目出し帽姿の自動小銃を持つ男ら2人が走り回っていた。

 仏テレビは、ビルの屋上から撮影した映像を放送。ビルに囲まれた路上で、黒ずくめの男2人が水平に銃を発砲。「神は偉大なり」と叫ぶ声と大きな銃声が鳴り響いた後、男らが黒い車に乗り込んだとみられる。

 事件が起きたのは、パリ・バスチーユ広場に近く、商業地と住宅地が混在する一角。7日昼前から、パトカー、救急車、取材陣が殺到し、けがを負った人たちが次々に運ばれるなど騒然とした雰囲気となった。

 すぐ近くにある高校に通う生徒によると、この校舎で学ぶ100人ほどは、教室に2時間とどまるよう指示されたという。生徒らは不安を感じ、ストレスを募らせた。イラナさん(18)は「すごく驚いた。大変なことが起きた」と語った。