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 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働禁止を求めて、滋賀県の住民が8日、大津地裁に仮処分を申し立てることを決めた。住民らは昨年11月、同様の請求を却下されたが、再稼働に向けた手続きが進んだことから緊急性が高いと判断し、今月末に申し立てる。地裁が仮処分を決定すれば、関電は当面2基の原発を再稼働できなくなる。

 住民らは2011年8月に高浜、大飯原発などの再稼働禁止を求める仮処分を申し立てたが、昨年11月27日、大津地裁が請求を却下した。地裁は、原発事故時の避難計画などが未整備な点を挙げ「原子力規制委員会が早急に再稼働を容認するとは考えがたい」と指摘し、再稼働を禁じる緊急性がないと判断した。だが、規制委は昨年12月17日、高浜3、4号機の安全対策が新規制基準を満たすとする審査書案をまとめ、近く正式認可する見通しとなっている。

 住民と弁護士は8日、大津市内で会合を開き、2基の再稼働が迫っているとの認識で一致。事故が起きれば「琵琶湖が放射性物質に汚染され、住民が危険にさらされる」などとして再度申し立てることにした。