STAP細胞事件:ノンフィクション「捏造の科学者」発売
毎日新聞 2015年01月07日 19時05分(最終更新 01月07日 21時57分)
ノンフィクション「捏造(ねつぞう)の科学者 STAP細胞事件」(文芸春秋、1728円)が7日、発売された。著者は毎日新聞科学環境部の須田桃子記者。論文発表直後から次々に疑義が呈され、論文の根拠が崩れていく経緯や、研究チームの主要メンバーが在籍した理化学研究所の後手に回った対応を克明に描いている。
STAP問題を巡っては昨年末、理研の調査委員会が、責任著者の小保方晴子氏による図表の新たな捏造を認定し、STAP細胞からできたとされた細胞や組織が実は既存の万能細胞のES細胞(胚性幹細胞)から作られていたとの調査結果を発表した。文芸春秋の担当者によると、この発表以降、この本に関する書店からの問い合わせが急増。ネット書店での予約購入数も増えたため、科学書としては異例の発売前の重版を決めたという。
紀伊国屋書店新宿本店(東京)では、1階の新刊コーナーなど計4カ所に本が並べられ、立ち止まって手に取る人の姿が見られた。