【パリ=竹内康雄】7日昼前、パリ市内の週刊紙「シャルリエブド」本社に覆面姿の何者かが押し入り、銃を乱射した。仏政府などによると、警官2人と編集長や記者らを含む少なくとも計12人が死亡し、8人が負傷した。実行犯は少なくとも3人いるとみられ、銃を持ったまま逃走した。同紙はイスラム教の預言者ムハンマドを題材にした風刺画などを掲載したことがある。当局は厳戒態勢を敷いて実行犯を追っている。
オランド大統領は事件直後に現地に入り「テロ行為であることは疑いない」と非難した。午後に開かれた関係閣僚会議の後、カズヌーブ仏内相は「犯人は3人いる」と述べた。AFP通信によると今回の事件の死者数は過去40年に仏国内で起きたテロで最大となった。仏政府はパリを含むイルドフランス地域の警戒レベルを最高の「テロ警戒態勢」に引き上げた。
現場はパリ東部で市内中心部から地下鉄で10~15分ほどに位置する。犯行は編集者や漫画家による定例会議が開かれた一室で起きた。実行犯は重火器で武装し「預言者(ムハンマド)のかたきを討った」と叫びながら銃を乱射したという。
シャルリエブドの7日発売の最新号は「まだフランスにはテロが起きていない」と題した風刺画を掲載。イスラム過激派「イスラム国」の兵士とみられる男が近くフランスを攻撃するのを示唆するような内容だった。
シャルリエブド、オランド