「深夜番組の性的表現に強い批判」BPO青少年委員長が各局に要望
放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会は8日、「最近の深夜番組の性的表現に対して、視聴者からも委員会からも強い批判や懸念がある」として、テレビ各局に深夜番組における性的表現について議論を求める汐見稔幸委員長のコメントを発表した。
関東圏の独立局などで深夜に放送されている音楽バラエティー番組について、視聴者から「画面上で修正は入っていたが、男同士で性器への直接的な行為を行っていた」「男同士の性的行為を笑いのネタにしている」などの意見が寄せられ、委員会が対応策を議論していた。委員会はこの番組を審議対象にはしないことを決め、番組名や具体的な内容を公表していない。
汐見委員長はコメントで、この番組について「深夜放送であれば性的に多少過激な表現であっても許されるだろう、という姿勢が見えるという点で意見が一致した」と指摘。そのうえで、「深夜だからある程度の大胆な性的表現も許されるという規定はない」「制作者が慣行で、それ以外の時間帯より基準を緩和してもいいと理解し、放送していると思われる」などと分析した。
さらに汐見委員長は、深夜番組における性的表現の基準がないことが視聴者から批判を招く背景にあると指摘。しかし、「そうした基準を関係者の議論をへることなく拙速に作成しても、それがわが国のテレビ番組の内容を向上させる方策になるとは考えにくい」として、テレビ各局の自主的な議論をうながす考えを示した。