仏週刊紙テロ:「私はシャルリー」…パリ市民が連帯の輪
毎日新聞 2015年01月08日 11時19分(最終更新 01月08日 15時30分)
【パリ斎藤義彦、ワシントン和田浩明】仏週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件の発生を受け、フランス国内各地では7日夜、市民による犠牲者の追悼と抗議の集会が開かれた。パリ中心部の共和国広場には数万人が集結し、「表現の自由を」「愛は憎しみより強い」と訴えた。当局はテロ警戒レベルを最高位に上げ、公共の建物などの警備を強化した。たくさんの人が「私はシャルリー」と書いたプラカードを掲げて街に繰り出し、同紙への連帯の意思を示した。
◇「表現守れ」数万人デモ
夕闇に包まれた共和国広場では、信号機などに登った一部の市民が「自由を」と叫ぶと大勢が「表現の自由を」と呼応。あちこちで拍手が湧き起こった。広場中央の像を黒い布で覆い、殺された12人への弔意を表す市民もいた。広場や周辺道路は人であふれかえり、転倒による事故を防ぐため、付近の地下鉄駅が閉鎖された。
紙名にちなみ「JE SUIS CHARLIE(私はシャルリー)」の大きなボードを抱えた会社員の女性、ポーリンさん(24)は、「私たちは開かれた社会にいるはずなのになぜこんな暴力をふるうのか」と話した。元機械工のレアルさん(65)は、「私たちが暴力を恐れていないことを示す必要がある」と語った。コピーライターのニコラさん(46)は、襲撃犯について「彼らは表現の自由を壊そうとしている」と、怒りをあらわにした。シャネットさん(28)は「私たちの未来がテロでめちゃくちゃにされないよう願っています」と話した。10、11の両日にもパリなどで大規模な抗議デモが計画されている。
一方、短文投稿サイト「ツイッター」上でも攻撃を非難し犠牲者との連帯を示す自然発生的なキャンペーンが始まった。「私はシャルリー」の文字が入った画像を多数のユーザーが発信し、英BBCによると、日本時間7日午後11時過ぎの段階で、世界各地で少なくとも6万5000件の関連ツイートがあった。
発信の中には「イスラム教徒として、犠牲者のために正義を求める」といったイスラム教信者の言葉や、「今日の悲劇を、不要な反イスラム感情に変えてはならない」との指摘もある。在仏米大使館は、ツイッターアカウントのプロフィル写真を「私はシャルリー」の画像に差し替え、フランス国民との連帯を示した。