前回の続きです。7月末から9月末までの出来事を書きたいと思います。
<ISA元社長古原賢治氏との信頼関係の崩壊>
私たちの給与はいばらきスポーツアカデミー(ISA)から7月分までが支払われただけで、その後ISAからは支払われることはありませんでした。7月分の給与とは、昨年度からの選手たちにとっては今季2回目の給与、移籍してきた選手にとっては1回目の給与に該当します。そして、その給与から支払いの遅延が発生しておりました。その為、当時の選手たちは「初めから給与から遅れるってまずくないだろうか?」と、非常に動揺しておりました。
ISAの社長であった古原賢治氏は、8月分以降の給与を支払わなかっただけでなく、たびたび選手に対して虚偽の発言を繰り返していました。例えば、明日振り込むと言いながらも振り込まなかったり、遅れを銀行のせいにしたり、スポンサーの着金が遅れたという理由をつけ引き伸ばしを行っていたことなどがありました。その為、選手たちは今後の給与を受け取れる見込みは薄いと判断しましたし、古原氏と選手たちとの信頼関係は完全に失われておりました。
<NBL理事長丸尾充氏へのSOS、北海道でのプレシーズンマッチ>
その為、NBLにSOSの電話を9/3にかけ、翌日9/4にNBLの理事長丸尾充氏と直接連絡を取ることが出来ました。私たちは、「このまま給与が支払われることが無ければ9月以降の活動を続けることも厳しく、会社が危険な状態なのであれば、速やかにチームを解散し、各々が移籍先を見つけなければ取り返しのつかない事態になる」という旨を伝えました。
また、「週末の9/7に控えたレバンガ北海道とのプレシーズンマッチを戦うことも難しい」という旨を伝えたところ、丸尾氏から、「私が全選手・スタッフの8月分の給与を古原氏に支払わせることを保証し、万が一、古原氏が支払わなかった場合に、私が現金で持っていく。さらに、9月分の給与も同様に保障する。だから、北海道でのプレシーズンマッチは戦ってくれ。今ここで問題が明るみになる事態は避けたい。」と、伝えられました。
私たちはこの時は丸尾氏の判断に非常に感謝し、約束通り北海道へ行くことになりました。当時、外国籍選手は日本に合流しておりましたが、今後のことが分からないとのことで、北海道には日本人選手だけで行くことになりました。
プレシーズンマッチは無事終わりましたが、結局古原氏は9/9になっても8月分の給与を一部選手にしか支払えなかったため、約束通り丸尾氏が9/10に、個人としてなのかリーグとしてなのかは不明ですが、不足分の給与を現金で持って来てくれました。それと同時に、「9月分の選手・スタッフの給与もリーグとして保証する」と改めておっしゃってくれました。私たちは、古原氏の虚偽の発言に対して疑心暗鬼になっておりましたが、リーグの理事長がそう言って頂けたことにひとまず安心し、9月の活動を続けました。
<消えない不安と開幕戦満席プロジェクト>
私たちは9月までの給与は確保出来ましたが、10月以降のことは依然として不安です。経営状態が危ないだろうことを理解し、「今、自分たちに何が出来るだろうか?選手として出来ることは何でもやろう。」と考え、9/11に「開幕戦満席プロジェクト」を企画し、微力ながら興行収入を上げる為の活動を行いました。それがこのブログとホームページの作成に繋がっています。
<古原氏の責任放棄、サイバーダインによる新体制へ>
結局、9月分の給与振込日である9/30になっても給与は支払われませんでした。その日の夜、古原氏に選手数名が呼び出され、「9月末を持って、私は辞めることになったので、あとはサイバーダインの新体制に聞いてくれ。」と伝えられました。このとき、古原氏から謝罪の言葉は一つもありませんでした。
古原氏によると、9月中にサイバーダインの取締役宇賀伸二氏とNBLの専務理事山谷拓志氏が新体制についての話し合いを頻繁にしていたそうですが、古原氏はそこへ全て丸投げしたのです。そして、古原氏が提示した「山谷氏が作成したレジュメ」によりますと、「明日10/1からは新体制になる。ISAの役員は総退陣し、新社長はサイバーダイン社長の山海嘉之氏、役員にはメインバンクから1名、GMには球団経営経験者が候補に上がっている」とのことでした。(※結局、新体制についてはこの後も二転三転して、振り回されることになります。)
さらに、古原氏によると、山谷氏は選手給与の削減案と一部選手の解雇を提案してきたそうですが、山海氏が選手の解雇に反対し、選手を全員残す方向で考えているとのことでした。肝心の給与がいつ支払われるかは、「はっきり言って分からない」とのことでした。
私たちは古原氏の言うことだけを鵜呑みに出来ないと思い、サイバーダインの宇賀氏にもSOSの連絡を直接取りました。宇賀氏は以前までは選手たちの相談を親身に聞いてくださり、非常に友好的だったのです。しかし、この時から態度が急変し、「選手の皆さんは、この状態でちゃんと給与がもらえるなんて思わない方がいいですよ。減俸が覚悟でなければ、新体制すら作るつもりは無い。私たちは手を引く。」と、子会社化の話自体も有耶無耶にされてしまったのです。
そして、「もし救済して欲しいのであれば、明日までに選手たちの覚悟をまとめて、山海社長に手紙を書いてきてください。」と指示がありました。ここでの「覚悟」とは、減俸でも構わないという選手の意思を見せてくれという意味でした。もはやつくばロボッツの救済は、山海氏に頼るほかないとのことでした。私たちは、サイバーダインを「将来の親会社」として見ておりましたし、それを約束されて選手契約を締結しておりましたので、この時から急に「救済者」の立場を取っていたことに非常に困惑しました。
しかし、そうは言っても、私たちの生活を守る為には従うしかないと判断し、指示通りに山海氏へ手紙を書くことになるのです。
<NBL理事長、丸尾充氏の裏切り>
一方で、少なくとも9月分の給与は丸尾氏に保証してもらっていたので、丸尾氏に連絡をして、約束通り9月分の給与をまた現金で持ってきてほしい旨を伝えました。
しかし、丸尾氏は「保証すると言ったのは言葉のアヤで・・・言った言わないの議論は水掛け論になるのでやめよう」と、誤魔化そうとしたのです。
選手たちは、「言った言わないどころではなく、3回以上繰り返し確認しましたし、全員がメモを取っています。保証という言葉には他に意味があるのですか?」と反論しました。
しかし、丸尾氏は「そうは言ってもこの状況ではそうすることも出来ないし、リーグとしてはもうお金は出せない。なんとかサイバーダインにお願いするほかない。少し時間をくれ。」と開き直り、逃げられてしまいました。私たちは、まさかNBLのトップである理事長が、口約束といえど選手の前で嘘をつくとは思わなかったので、とても落胆したことを覚えています。
これによって、私たちは古原氏、サイバーダイン、丸尾氏の3者に逃げられてしまい、どこにも問い合わせることが出来なくなってしまいました。
ここまでが、9月末までのお話です。次は、10月以降に起こった出来事を説明していきたいと思います。ここからが、この一連の騒動の核心部分となります。
なお、私たちがここに詳細を記載する目的は、応援してくださった皆様に事実を知って欲しいということと、今後バスケットボール界において同じようなことが起こらないで欲しいことを願ってのことです。どうぞご理解頂ければ幸いです。また、NBLもサイバーダインも、つくばロボッツというチームをなんとか存続させようと努力して頂けたということは、私たちも十分に理解しております。