私は帽子が似合わない。
ベレー帽とかかぶって街を歩きたいのに、びっくりするほど似合わない。
色々試してまぁ悪くないなと思った帽子は女優帽(つばが長い帽子をそう呼ぶ)と小学校の校帽。
女優帽いいなと思ってコーディネートしたら彼氏にマダムと言われ、小学校の校帽あるいはそれみたいな形の帽子をかぶると幼稚園児扱いされる。もちろん本気ではなく私をからかって言ってくれているのは分かったが、なんかかぶる気が失せた。老けて見られやすいのは分かるけど私まだ大学生だよ、マダムって言われちゃうとな。老けキャラで笑いをとれてるからいいけど内心いい気持ちじゃない。幼稚園児扱いされるのは慣れた。年の差カップルとはそういうものだと思うことにした。
なんで、ほとんどの帽子が似合う帽子美人と、まったくそうでない人ってのがいるんだろう。
帽子屋に行って試しにかぶってみたとき、鏡を見てそれが似合ってないことを何度も味わう気持ちは想像以上に嫌なものだ。
また帽子屋ってのは何故かよく話しかけてくる。普通の服屋なら適当にあしらえるが、帽子屋だとうっ……となる。これも嫌だ。
でもかぶってみないと似合うかどうかは分からないので、今日もまた帽子屋の前を通りかかっては勇気を出してかぶりに行き、運命の帽子を探しに行く。