韓国・ソウルのオーパルパル

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 本紙報道が引き金か――。韓国で新年早々風俗の一斉取り締まりが始まる。昨年末に開かれた鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相主宰の「第59回国家政策調整会議」で、売買春の拠点閉鎖を含む「売買春の根絶および性的暴力予防教育の推進方策」を報告。韓国全土にある売買春の拠点(いわゆる、ちょいの間街)25か所を閉鎖する目的で、政府が集中的に行政力を行使するとした。この強行策の裏では、慰安婦問題で日本に謝罪させたい朴槿恵大統領(62)の“姑息な計算”が働いていると専門家は指摘する。しかもキッカケは本紙の記事だった!?

 ちょいの間街閉鎖が実施されるのは、ソウル市内のチャニアンリ(通称オーパルパル)、38度線近くにあるヨンジョッコルなど、具体的な名前が挙げられた。地方自治体と共同で実態調査を行い、当局は売買春業者の家宅捜索を行い証拠を確保して処罰する方針だという。


 発表を受けてオーパルパルなどのちょいの間街は、年末から自主的に店を閉め始めており、ピンクのネオンは消えてしまった。


 韓国では2004年にも性売買(売買春)特別法が施行され、主だったちょいの間街は一斉にネオンを消したことがあったが、その時は半年もたたないうちになし崩し的に営業を再開。法律で禁止されたにもかかわらず、これまで堂々と営業してきた。


 しかし、10年も放置され続けていたのに、なぜ急に徹底取り締まりを行うことにしたのだろうか? そのきっかけは本紙が昨年5月に掲載した、“軍人御用達”風俗街・ヨンジョッコルの実態リポートにありそうだとの見方が出ている。


 朴槿恵大統領は常々、「安倍首相との首脳会談を行うには、日本からの誠意ある従軍慰安婦問題での謝罪が必要」との立場を貫いてきた。


 情報誌「アジアン王国」(ミリオン出版)の編集長で、ヨンジョッコルを潜入取材したブルーレット奥岳氏はこう言う。

「現代の従軍慰安施設とも言えるヨンジョッコルの存在は頭の痛い問題だったと思います。しかも、あのちょいの間街には、米軍向けの従軍慰安所として使用してきたという経緯もあり、そちらの方でも当時働いていた慰安婦122人から韓国政府は訴えを起こされています。そんなヨンジョッコルの存在を日本のマスコミ、東スポに大々的に書かれてしまい、これはマズいと思ったのではないでしょうか」


 しかし、慌ててヨンジョッコルだけを閉鎖すれば「やっぱりそういうことだったんだ」と、さらに突っ込まれてしまうことにもなりかねない。


「そこで、他のちょいの間街を含めて売買春の拠点を一掃する、とすればヨンジョッコルを目立たないように闇に葬ることができる。こう考えるのがもっとも辻つまが合うんではないでしょうか」と奥岳氏。


 本紙報道がきっかけで韓国のちょいの間街が消滅するというのは、ややうがった見方かもしれない。しかし、一因になった可能性はありそうだ。


 また、今度の摘発では「キス部屋(性交類似行為を提供する業者)」や「耳かきサロン」などの新手の変わり種売買春業者の取り締まりも強化するそうだ。


「これらは完全に日本フーゾクのパクリです。で、韓国人男性の皆さんの欲求不満がたまって性犯罪が増えるのではないか、と余計な心配までしてしまいます」(奥岳氏)


 今回の取り締まり案の中には、閉鎖したちょいの間街の再開発計画まで盛り込まれている。しかし、肝心なことが欠けているという。


 奥岳氏は「閉鎖によって行き場を失う女性たちの社会復帰サポートに関する話が一切出てきていないことには、正直ガッカリしましたね。消費者金融の上限金利を日本並みに下げて、彼女たちの社会復帰をサポートするような方策を取らない限り、彼女たちはちょいの間よりもさらに労働条件の悪いアンダーグラウンドな仕事に就くしかない。今回のちょいの間閉鎖を受けて、日本へ売春出稼ぎに来る女のコたちが急増しちゃうんでしょうね」と指摘する。