星付きの店からも日本各地のシェフからも注目される在来野菜。

それに後押しされるように、全国で、独自の基準を設け伝統野菜を認定する動きがあるとのことで、その中から個性豊かな野菜を集めてみました。

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仙台曲がりネギ/宮城

柔らかく、格別の甘みを誇る曲がりネギ。大きく湾曲している理由は、畑から一度抜き取り、角度をつけて寝かせるように植え替え栽培するため。発祥の地である仙台市余目地区は地下水位が高く、通常のネギのように立てて栽培すると根腐れしてしまうことから、そうした方法が編み出されたという。

小野川豆モヤシ/山形

11月から3月が旬の小野川豆モヤシは、米沢市小野川地区の温泉街が産地。温泉が流れる堀の上に小屋を建て、木箱を並べ、そこに豆をまいて育てるという伝統的な方法が守られている。普通のモヤシに比べ、25cmものロングな軸と、シャキシャキとした歯応えは食べた者を虜にするという。

神楽南蛮/新潟

ピーマンのような形をした、辛みの強いトウガラシ。ゴツゴツした姿が神楽面に似ていることから、この名前がついたという。昔ながらの食べ方はタタキ。千切りにして塩をまぶし、1、2時間置いた後、氷水に放ってシャキッとさせたら、ミョウガやキュウリと和えて、ビールのおつまみにいかがでしょう。

ねずみ大根/長野

県北東部の坂城町でおもに栽培されている地大根で、ネズミの後ろ姿のようなユニークな形。ピリッとした辛さの後から、ほんのり感じられる甘さが身上。大根をすり下ろした搾り汁に、味噌とネギやクルミなどの薬味を入れ、釜揚げうどんを浸ける「おしぼりうどん」が、郷土ならではの食べ方。

八名丸サトイモ/愛知

愛知県と静岡県の境に近い八名郡八名村で、水田の転作作物として栽培されたのが始まりという八名丸サトイモ。肥沃な土地で育つ丸いイモは、柔らかい食感が特徴。9月から出回るイモはみずみずしく、10月に出回るイモはもっちりしていて、味噌汁の具や煮つけに向く。

紫トウガラシ/奈良

奈良県東北部の高原地帯で栽培されている紫トウガラシは、ブルーベリーやカシスの色素成分、アントシアニンを含む稀少な紫色。完熟すると赤色、熱を加えると緑色に変化するという摩訶不思議なトウガラシで、辛みは殆どなく、炒め物や天ぷらなど、さまざまな野菜、肉との相性抜群。

桑の木豆/岐阜

インゲン豆の一種で、赤いかすり模様の「桑の木豆」。かつて養蚕が盛んだった岐阜県山県市で、蚕の餌となる桑の木を有効活用しようと、その根元に種をまき、ツルを桑の木に這わせ栽培したことから、こう呼ばれる。若いサヤは天ぷらに、完熟サヤは乾燥させ煮物に、と食卓で幅広く活躍。

天王寺かぶら/大阪

「天下の台所」と呼ばれ、野菜の産地としても栄えてきた大阪。府内の伝統野菜を認定した「なにわの伝統野菜」の中でも、天王寺付近を発祥とし、さまざまな文献に記載が残る代表作物が天王寺かぶら。小ぶりでしっかりとした根は十分な甘みがあり、葉も美味。浅漬けのほか、粕漬けや煮物に使われる。

鹿ヶ谷カボチャ/京都

安楽寺で行われる「かぼちゃ供養」で毎年参拝者に振る舞われる「京野菜」の鹿ヶ谷カボチャは、ちょっぴりグロテスクな見た目。江戸時代に津軽から京都へ持ち帰られ栽培されていた菊カボチャが、突然変異した形だとか。成人病予防に効果があるという、リノレン酸を多く含むことでも注目される。

打木赤皮甘栗カボチャ/石川

栗のような円錐形をした、鮮やかな橙色のカボチャは、5月下旬から8月下旬にかけて出荷される、金沢を代表する夏野菜。厚い果肉は水分が多く、ねっとりとしていて、強い甘みがウリ。煮物や天ぷらなどの料理にはもちろん、近年はその甘みを生かし、和洋菓子にも用いられている。

阿蘇高菜/熊本

標高400m~800mという高知の阿蘇地方で栽培されている、カラシナの一種。通常の高菜に比べ、茎の部分が柔らかく、適度な辛みが感じられる。花が開く前に収穫し、高菜漬けにするのが、古くから伝わる食べ方。収穫したての高菜を、炒め物や白和にして食べることも。

ハンダマ/鹿児島

葉裏が赤紫色のハンダマは、別名「水前寺菜」や「金時草」と呼ばれ、おもに鹿児島県奄美地域の家庭で栽培され食されてきた超地産地消の伝統野菜。鉄分などのミネラルが豊富なほか、ポリフェノールを多く含み、抗酸化作用が期待される野菜としても注目度大。おひたしやサラダ、天ぷらなどに。

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