【ニューヨーク=稲井創一】米メディアによると、テキサス州でシェール開発を手掛けるWBHエナジーが7日までに米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻した。昨夏以降の原油の急落局面で米シェール企業の破綻が明らかになるのは初めてとみられる。
4日付でテキサス州の連邦破産裁判所に申請したという。最大で5000万ドル(約60億円)の負債があり、原油安で想定通りの売上高が計上できず、資金繰りが悪化したとみられる。
米シェール開発会社は中小業者が多く、資金力も限られることから、開発費を借入金や社債に頼っている。中小会社は先物取引などを用いた価格ヘッジも十分でないケースがあり、原油安が業績に直撃しやすい財務構造になっている。加えて、米地方の金融機関が中小シェールに対する融資回収を急ぐとの見方も出ていることなどから、今後も同様の破綻が相次ぐ可能性がある。
ただ、中小シェール企業は足元では、資金流出を最小限に食い止めるため投資抑制も急いでいる。中堅シェールの一角であるオアシス・ペトロリアムは、2015年の投資金額を前年に比べ半減させる方針を先月に公表した。
体力のある大手シェール企業は引き続き15年も高水準の投資を実施し、原油生産については14年に比べ拡大計画を維持している企業もある。このため、仮に中小シェール企業の破綻が相次いだとしても、世界の原油需給の悪化要因になっている米原油生産の拡大傾向が、すぐに歯止めがかかるかどうかは不透明だ。
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