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【群馬】

朝鮮人追悼碑問題で県会常任委 撤去反対請願を不採択

 県議会の産経土木常任委員会が八日開かれ、県立公園「群馬の森」(高崎市)の朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑について、県の撤去要請などに反対する請願が賛成多数で不採択となった。

 討論や質疑はなく、不採択に自民党などの県議六人が賛成し、リベラル群馬の県議二人は反対した。

 委員会終了後、リベラル群馬の角倉邦良県議は「碑文は日本の戦争責任を明確にしており、悪いものは悪いと歴史を継承するべきだ。県も賛同して建てた碑を撤去すれば、碑文の否定につながる。不採択は残念だ」と語った。

 採決には参加しなかった自民党の井田泉委員長は「不採択は自民党県議の総意であり、粛々と判断したと思う。請願に添付された約一万五千筆の署名も斟酌(しんしゃく)はしている。県の動向を見守りたい」と述べた。

 この請願は十一月、碑を管理する市民団体「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会(前橋市)が提出。「碑は広く県民の協力と支援が生んだ共同の財産であり、アジアの平和と友好を見据えたモニュメント」などと県の撤去要請に反対している。

 碑は二〇〇四年、県が政治的な行事をしない条件で設置を許可し、守る会の前身団体が建立。しかし、県は七月、過去に碑の前で開かれた集会での「強制連行の事実を全国に訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言が政治的と判断し、設置更新を不許可とした。

 このため、守る会は十一月、県が碑の設置更新を不許可にしたのは表現の自由を侵害し違憲として、県に処分の取り消しなどを求める行政訴訟を前橋地裁に起こしている。

 不採択について、古橋勉・県土整備部長は「裁判中のためコメントできない」と話した。 (菅原洋)

 

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