不認可も続く「幸福の科学大学」騒動 地元は不安:イザ!

2015.1.6 09:33

不認可も続く「幸福の科学大学」騒動 地元は不安

 学部は人文科学系、社会科学系、自然科学系の3学部。自校科目「創立者の精神を学ぶ」(4単位)のほかは、通常の大学であるような一般教養や専門科目などで全124単位を4年間で履修。定員480人の学生寮に全員入寮し、2年時から希望者は外部から通うことも許されるという。

 

「3日泣き続けた子もいる」

 「幸福の科学大学」開設不認可の理由は、学校教育法などに基づき「大学教育を提供できるものとは認められない」とするもので、具体的には、幸福の科学の大川隆法総裁が故人や存命の著名人の守護霊の言葉を伝える「霊言」が「教育の根底にある」とする点が指摘された。

 学園の木村智重理事長は「1万9千ページある認可申請書に『霊言』という文字は一言も出てこないのに、なぜ『根底にある』ということになるのか」と反論する。

 「審議の過程で不適切な行為があった」として、最長で5年のペナルティーを科されることに対する反論も、HSUのホームページに掲載されている。「下村博文文科大臣の守護霊の霊言が出てしまった。彼の触れられたくないところに触れたことで、『私怨(しえん)』もあるのだろう」

 九鬼一副理事長は「不認可で、入学希望の生徒の中には3日泣き続けた子もいるんですよ。子供たちの夢を壊すわけにはいかない。百数十億円の費用についても、信者の方の期待を背負っている」と話す。「まずは私塾として開校し、これからも認可をもらうため動いていく」とした。

 

過去には固定資産税問題

 関係者によると、HSUのキャンパス部分を含む31ヘクタールに及ぶ広大な土地を幸福の科学が入手したのは平成20年4月のことだった。村ではこの土地の固定資産税をめぐって、さまざまな議論が交わされてきた経緯がある。

 当時の村長は、「専ら宗教の用に供する土地」として課税はしない方針だったが、村議会や住民からは「草も生え放題で、宗教の用途で使用していない。課税すべきだ」との声が多く上がるようになった。24年6月の村長選では、新人の現村長が公約に「納税を求める」ことを掲げ、3779票対3722票の僅差で当選した。

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