- 作者: ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: Kindle版
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どんな本?
オンライン決済サービス・ペイパルの初期メンバーで、ユーチューブ(YouTube)など名だたる企業を次々に立ち上げてきたピーター・ティール。そんな彼が、母校スタンフォード大学で行った起業についての講義、これを文字に起こし書籍化した本です。
どのようにしてゼロからイチを生み出すか、そして、そこに人間やテクノロジーはどのようにして関わってくるのか。こういうことについて主に企業という視点からヒントが書かれています。
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」という問い
採用面接でかならず訊く質問がある。「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
ストレートな質問なので、ちょっと考えれば答えられそうだ。だけど、実際には、なかなか難しい。学校では基本的に異論のない知識しか教わらないので、この質問は知的なハードルが高い。それに、その答えは明らかに常識外れなものになるので、心理的なハードルも高いからだ。明晰な思考のできる人は珍しいし、勇気のある人は天才よりもさらに珍しい。
こんな質問をされると、ギョッとするかもしれない。しかし、訊く側には意図があります。それは単純に明晰な思考と勇気、この2つを問うています。
明晰な思考とは、学校で教わる単なる知識ではなく、それらを組み合わせて答えを導く力です。いわゆる考える力で、未来を予測するときに必須となります。もちろん、未来を正確に予測できる人はいません、ここで問題としているのは、その確度です。
そして、「賛成する人がほとんどいない」という条件を課すことで、自分の頭の中で導き出せていた考えだとしても、それを相手に伝える際に自ずと心理的な障壁ができます。これにより、その壁を乗り越えて、相手に話せるかという度胸を問うているのです。
つまり、まだ明かされていない隠れた真実を嗅ぎつけていて、それを話せる精神のある人を探しているのです。
隠れた真実についてのヒント
では、その隠れた真実を見つけるためにはどうすればいいのでしょうか。これについても多くのページを割き書かれています。
隠れた真実を見つけ、それを遂行できたあかつきには独占的な地位が待っています。そこで、隠れた真実について理解するためには、謎の多い独占について考える必要があります。
独占企業は注目を避けるために独占状態をなるべく隠し、競争企業はわざと自社の独自性を強調していることに気づくはずだ。表面的には企業間にあまり違いがないように見えても、実際には大きな違いがある。
では、競争とは何なのか。著者は次のような含蓄のあることを述べています。
競争とは資本主義の対極にある。
競争とは、1を2や3といったnにする作業で、資本主義を貫くとは0を1にすることなのかもしれません。
独占的な地位を築いている企業が保有する特徴
著者は、独占的な地位を築いている企業が保有する特徴として、次の4つを挙げています。
ここでは、プロプライエタリ・テクノロジーについて説明しましょう。プロプライエタリとは、英語のproprietaryのことで、「占有的な」といった意味です。つまり、プロプライエタリ・テクノロジーとは、占有的な技術のことで、事実上独占的に保有しているものを指します。
この例として、著者はグーグルの検索エンジンを挙げています。
ビジネスの核となる検索エンジンの信頼性と磐石さに加えて、グーグルはスピードの速い検索結果表示と確度の高い検索ワードの自動候補表示というプロプライエタリ・テクノロジーを併せ持っている。二○○○年はじめにグーグルがほかの検索エンジン企業を引き離したのと同じようにグーグルを引き離すことは、ほぼ不可能に近いだろう。
つまり、圧倒的な技術力に支えられ抜群に使いやすい検索エンジンがグーグルにとって占有的な技術だったのです。これにより、他社の追随を許さず、独占的な地位を築きました。
以上、『ゼロ・トゥ・ワン』の読書記録でした。起業に興味がない方も刺激を受けられる本ではないでしょうか。
それでは、またお会いしましょう。
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
- 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: 単行本
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