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渋谷から発信する次世代ポップ ORESAMA×中川義和(2.5D)
インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:豊島望(2015/01/06)
2015年は、日本のポップシーンにおける地殻変動の年となるだろう。インターネットは今も「現場」の意味を更新し続け、作り手と受け手双方の音楽との接し方に影響を与え続けている。一方、2010年代前半にインディーシーンを中心に広まったシティポップの再評価や、海外におけるディスコやファンクのリバイバルなどが合わさって、ブラックミュージック寄りのポップスを「今のJ-POP」として鳴らす若手が、いよいよオーバーグラウンドに進出しつつある。ネットとリアル、生演奏と打ち込み、ポップとマニアックの境界線が薄れる中、自由な感性で立ち上がる若手クリエイターたちによって、2015年のポップシーンに新たな景色が作られていくことに期待が高まっているのだ。
ボーカル・作詞担当のぽんと、作曲・プログラミング・ギター担当の小島英也による男女ユニットORESAMAは、そんな今の日本の音楽シーンを体現する存在。アニメ『オオカミ少女と黒王子』のエンディングテーマに起用され、昨年12月にリリースされたメジャーデビューシングル『オオカミハート』は、エレクトロファンクな曲調と抜群にキャッチーなメロディー、さらには1980年代テイストのカラフルなビジュアルも合わさって、今の気分を明確に象徴するものだった。この音楽シーンの動きとORESAMAの存在にいち早く目をつけたのが、日々渋谷PARCOのスタジオからストリーミング配信を行い、インターネットとリアルをクロスオーバーさせながらポップカルチャーを発信してきた2.5Dである。そこで今回、2.5Dが昨年12月にスタートさせた音楽イベント『YASHIBU』のプロデューサー、中川義和を招いて対談を実施。年齢差10歳の両者がお互いを尊重しつつ混ざり合う、シーンの現状がよくわかるテキストになったと思う。
ORESAMA(おれさま)
ぽん♀(作詞、ボーカル)と小島英也♂(作曲、プログラミング、ギター)による、渋谷を中心に活動中のユニット。2013年『The 6th Music Revolution Japan Final』優秀賞獲得。90年代生まれの2人が描き出す楽曲は、エレクトロやファンクミュージックをベースにし、映像が浮かぶ歌詞世界とともに「ORESAMA」ワールドを構成している。まさに、ネオポップスと呼ぶにふさわしいユニット。2014年12月、アニメ『オオカミ少女と黒王子』のエンディングテーマ『オオカミハート』でデビュー。
ORESAMA - プロジェクト | 2.5D
ORESAMA
中川義和(なかがわ よしかず)
「2.5D」所属。「2.5D」とは、インターネット上のクリエイティブリソースとエンターテイメントが集結するソーシャルTV局として、インターネット・ポップカルチャーを世界へと発信する目的のもと、2011年にスタート。渋谷PARCOのスタジオからライブストリーミングプログラムを発信。「ネオ渋谷サウンド」の発信を目的とした2.5D主宰ライブイベント『YASHIBU』のプロデューサーを務める。次回は2015年1月31日に開催。
2.5D
YASHIBU (ヤシブ) - プロジェクト | 2.5D
もうバンドかビートものかを分けること自体がナンセンスっていう状況なんですよね。そういった動きをインターネットの中だけに押しとどめるのではなくて、1回現場に戻すことが発想の原点です。(中川)
―ORESAMAは高校時代に組んだバンドが元になっているそうですね。
小島(Gt,Program,作曲):高校時代に1年半ぐらいバンド活動をしてました。僕らは長野出身なんですけど、大学進学でメンバーがバラバラになっちゃったので活動がストップして。僕は東京に出てきてからもずっと曲を作ってたので、同じく東京にいたぽんちゃんにもう1度声をかけて、それからは2人組でやってます。
ぽん(Vo,作詞):私は美大に通うために東京に出てきたんです。卒業後に美術か音楽かどっちの方向に進むか結構迷ったんですけど、ORESAMAだと音楽もやりながらビジュアル面でアートの活動もできるからすごく充実してます。
―2人組になって、今のスタイルになるまでは、どんな過程があったんですか?
小島:最初は俺のアコギとぽんちゃんの歌っていうスタイルで1~2年やってたんですけど、表現力に限界を感じてきたんですよね。それで俺が打ち込みを始めて、徐々に今のスタイルになっていきました。それ以前にも打ち込み自体はやってたんですけど、それまではギターもベースも自分で弾いて、ドラムだけ打つぐらいだったのが、ちゃんとシンセとかを使い始めたのがその頃です。
―今の2.5Dであり、『YASHIBU』にも、ORESAMAのようなバンドと打ち込みの境界線が薄い人たちが集まっている印象があります。
中川:今までは、自分で弾いて宅録する人と、完全に打ち込んで作る人って、二分化してたと思うんですよね。でも、今のORESAMAの話みたいに、バンド勢がPCに慣れ始めたことで、両者がクロスオーバーしていくのが露骨に見えて、いい感じに混ざり始めたのが2014年だったかなって。
小島:確かに、バンドでもドラマーがシンセとかパッドを持ち込んでライブをやるスタイルは多くなりましたよね。なので、2人組の僕たちでも、そういうバンドと一緒にやる分にはそんなにずれてる感じもしないし、最近は共演者の幅が広がりました。
―そもそも『YASHIBU』というイベントはどんな狙いでスタートしたのでしょうか?
中川:『YASHIBU』の1回目は12月6日だったんですけど、タイミングとしては「もう2015年が始まりますよ」ということを意識し始めるべき時期で、2014年を総括したときに、ORESAMAのデビューはすごく象徴的だと思ったんですよね。ぽんちゃんのマテリアルの中にはアニソンがあって、そこに小島くんの作るエレクトロニックミュージックだけど構造としてはバンドの曲が、組み合わさってる。tofubeatsくんにせよ、Sugar's Campaign、Seiho(Sugar's Campaignのメンバーであり、DJやトラックメイカーとしても活動)にせよ、もうバンドかビートものかを分けること自体がナンセンスっていう状況がでてきたんですよね。なので、そういった動きを2.5DやSoundCloudといったインターネットの中だけに押しとどめるのではなくて、1回現場に戻す、渋谷に戻してこようっていうのが発想の原点です。
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