税務調査漏えい:元国税徴収官、起訴内容認める 京都地裁

毎日新聞 2014年12月22日 22時08分

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の商工会幹部に税務調査の情報を漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の罪に問われた大阪国税局伏見税務署の元上席国税徴収官、佐土原桜茂(えいしげ)被告(48)=京都市山科区=の初公判が22日、京都地裁(高橋孝治裁判長)であった。佐土原被告は起訴内容について「間違いありません」と認めた。検察側は佐土原被告が起訴内容以外にも複数回、情報漏えいした疑いがあると指摘した。

 検察側は冒頭陳述で、佐土原被告は2003年ごろ、商工会幹部と知り合い、焼き肉店や韓国クラブでの飲食接待を受けるようになったと指摘。伏見税務署に異動した11年、幹部から商工会会員への調査予定を教えるよう依頼され、「断ればこれまでの接待をばらされる」と恐れて調査のリストを渡したと述べた。

 その後も複数回、情報を漏らし、飲食接待や現金授受、幹部の負担で韓国旅行をするなど不適切な関係を続けていたという。

 起訴状によると、佐土原被告は13年9月25日夜、商工会会員業者への税務調査の予定時期を、携帯電話のメールで幹部に複数回送信したとされる。【土本匡孝】

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