県は７日、年末年始にかけて入間、狭山、所沢市内で計８１羽のカラスの死骸が確認されたと発表した。鳥インフルエンザ検査を実施した結果、全て陰性。薬物などの化学物質も検出されなかった。熊谷市内でも同時期に計３０羽のカラスの死骸が見つかった。

　県内で野鳥の大量死は２０１３年７月、加須市内でムクドリやスズメ計約１４０羽の死骸が見つかって以来。

　みどり自然課によると、これだけのカラスの大量死は初めて。国立環境研究所などで病理検査を進めており、県は鳥の死骸を見つけても素手で触れないよう、周辺住民に呼び掛けている。死骸に外傷はなく、多くが胃の内容物がなかった。同課は「食べ物が少なく寒さが厳しい冬場に野鳥が死亡するケースは多く、餓死した可能性も考えられる」としている。

　死骸が確認されたのは入間市宮寺地内で５０羽（１２月３０〜１月６日）▽同市向陽台２丁目地内で９羽（５、６日）▽狭山市南入曽地内で１２羽（同）▽所沢市東狭山ケ丘５丁目地内で１０羽（同）。４カ所は半径３キロ圏内で、いずれも付近に雑木林や森がある。カラスは雑木林や畑、河川敷、公園などにバラバラに死んでいたという。熊谷市内では大麻生地内の民有地で３０羽（５〜７日）の死骸を確認。鳥インフル検査は全て陰性で、薬物検査を進めている。

　同課によると、カラスの大量死は１１年２月、秋田県内でも発生。計５４羽のカラスの死骸が見つかり、病理検査の結果、細菌により腸が壊死（えし）する細菌性腸炎が死亡原因とされた。

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