■政府最終調整
政府は6日、2015年度予算案の防衛予算を前年度から最大1000億円程度増やし、4兆9000億台円後半とする方向で最終調整に入った。防衛費の増額は3年連続で、過去最高となる見通し。これとは別に、9日に閣議決定する14年度補正予算案で、御嶽山(おんたけさん)噴火を受けた噴火災害対策などに前年度補正予算のほぼ2倍となる2110億円程度を計上。来年度の防衛費は実質5兆2000億円規模を確保する。
米軍再編経費を除く防衛費は前年度(4兆7838億円)から数百億円増の4兆8000億円台前半になるもよう。離島防衛・奪還作戦など南西防衛強化を目指し、垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」を5機、水陸両用車を30両、無人偵察機「グローバルホーク」を導入。海上自衛隊の国産新型哨戒機「P1」20機を一括調達する。
このほか、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐や米軍普天間基地の名護市辺野古への移設など米軍再編経費が14年度の1010億円から数百億円増える。新たに政府専用機2機を調達することも経費を押し上げる。
防衛予算の総額は14年度の4兆8848億円から1000億円程度の伸びにとどまるが、過去最高だった14年度の4兆9557億円は上回りそうだ。