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【社会】

むのたけじさん100歳 反戦「生ある限り」

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 反戦を訴え続けてきたジャーナリスト、むのたけじさんが、二度のがん治療を乗り越え二日、百歳になった。「今の日本は戦争のにおいがぷんぷんする。生きている限り、戦争をなくすことに役立ちたい」。戦後七十年を迎え、放つ言葉には一層の力がこもる。

 「負け戦を勝ち戦と報じ続けてきたけじめをつける」。一九四五年八月の終戦を受け朝日新聞社を退社。故郷の秋田県横手市でミニコミ誌「たいまつ新聞」を発刊し、三十年間、反戦記事を書き続けた。今、さいたま市で暮らし、講演や執筆をする。昨年の衆院選を振り返り「投票率52%なんて国は主権在民とはいえない」と一喝。「国民は自分たちの意見が反映された生きた政治にするために、考え、もだえなければいけない。それが全くない状況のままだった」と憂えた。

 安倍政権が進めてきた特定秘密保護法制定や集団的自衛権行使容認に、戦争の影を感じるという。「安倍さん個人の話ではない。彼を前面に出し、日本を変えようとする政治、経済界の勢力がある。誰が何を求め、何をしようとしているのか。それを明らかにするのが記者の務めだ」

 戦争の話になると口調が熱を帯びる。「人類の三大敵は病気と貧困と戦争。戦争をやめ、その分のエネルギーと金を回せば病気と貧困を解決できる、それがなぜできないのか」。危機感をあふれさせ、時に拳を振り、足を踏み鳴らした。

 

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