東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

国民の支持、低い中… 自民、改憲へ準備本格化

写真

 自民党は今年、改憲に向けた準備を本格化させる構えだ。公明、民主など与野党六党に改憲案作りを呼び掛けるほか、改憲の必要性を訴える漫画の配布も予定している。昨年十二月の衆院選で勝利した勢いで思惑通りに進めば、二〇一六年夏の参院選で改憲の是非を問うことを視野に入れるが、国民は改憲を積極的に求めておらず、支持を得られるとは限らない。(大杉はるか)

 自民党の谷垣禎一幹事長は年頭の所感で「憲法改正実現に向けた議論を国民の理解を得ながら進める」と表明した。同党の憲法改正推進本部の礒崎陽輔事務局長は「参院選までに改憲案を作りたい」と意欲を示している。

 改憲案の内容は、一月下旬に召集される通常国会の会期中に、超党派のプロジェクトチーム(PT)を設置して議論する方針。護憲を主張する共産、社民両党を除く民主、維新、公明、次世代、生活、改革の六党に参加を呼び掛ける。

 自民党は、武力攻撃や大災害発生時の首相の権限を定めた国家緊急権の新設、改憲要件緩和の実現をまずは盛り込みたい考え。「自衛権の発動」や「国防軍の保持」を九条に明記する変更は、最初の改憲後にあらためて目指す想定だ。

 だが、参院選前に超党派の改憲案がまとまる見通しは立っていない。国家緊急権の新設では、首相の権限を強化したい自民党と制限したい民主党の間に隔たりがある。改憲要件の緩和にも民主党は反対している。

 政党間の協議と並んで改憲論議のカギを握るのは世論だ。安倍晋三首相は先月二十四日の記者会見で「どういう条文から国民投票を行うのか、その必要性について国民的理解を深める努力をしたい」と述べた。

 共同通信の先月末の世論調査では、第三次安倍内閣が最優先で取り組むべき課題(二つまで回答)に「憲法改正」を挙げた回答は5・8%にとどまった。50%前後だった「経済対策」や「社会保障」に比べ、国民の支持は低い。このため自民党は「憲法は改正すべきだが、国民が変えようと思わないと難しい」(稲田朋美政調会長)として、改憲に理解を得る活動を始めることにした。

 具体的には、すでに始めている地方各地でのシンポジウムを続けるほか、若い主婦層を主な対象にした漫画のパンフレットも作成している。三月の党大会を皮切りに広く国民に配布する予定だ。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo