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シゴトノオト
シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました
月曜更新
くどうあすか1991年8月1日生まれ、埼玉県出身。父は現福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康。2012年、ドラマ『理想の息子』でデビュー。13年大河ドラマ『八重の桜』で注目され、14年のドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』ではオーディションを勝ち抜き投手の役を獲得。今作『アゲイン28年目の甲子園』ではサードの役を好演。「運動は得意なので、アクションも挑戦したい」と話す。
ほんの少しでいい
誰かが、自分の夢に踏み出せるような
そんな「きっかけ」になれるように
自分が出演した作品は、平常心で観られない。
「なにやってるんだ、オレ」と歯がゆくなる、と話す工藤阿須加。
悔しい気持ちがバネになり、また一歩を踏み出せる。
「心の底まで真剣になれるこのシゴトが楽しい」と、まっすぐ、熱く、夢を語ってくれた。
大きな転機になった
2014年
2015年の目標は、「恩返し」です。常に意識をしていることですが、2015年は、特に力を入れていきたいと思っています。デビューしてまだ3年ですが、たくさんの人に出会うことができました。出会った多くの皆さんの存在やいただいた言葉に影響を受け、貴重な経験ができていると思いますし、自分自身成長できていると思います。子どものころから「礼儀・挨拶・態度、この3つをきちんとしなさい」と父から厳しく言われているのですが、
表現は違っても、出会った皆さんからいただいた言葉の根底にあるのは、きっと同じことなんじゃないか、そう思えています。それは「人としてちゃんと生きなさい」ということです。演技はまだまだですし、シゴトもわからないことばかりです。でも、人としてちゃんと生きていれば、少しずつでも前に進める……、そう信じて今までやってきました。2014年はドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』のオーディションに合格するという、ある意味、ターニングポイントを迎えることができました。それもこうして、励ましの言葉があったからこそだと思うんです。自分を支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを「ありがとう」と言葉で伝えることはもちろんですが、テレビや映画で演じている姿を通じても伝えていきたい。自分にできる恩返しを少しでもできれば、と思っています。そのことで、自分が役者の道を選んだときに掲げた夢にも、近づけるんじゃないかと思うんです。
努力して凹んで反省して
また努力しての繰り返し
演じることを「楽しい」と感じたのは小学校の学芸会ですが、当時はスポーツ選手になるのが夢でした。ずっとテニスに打ち込んでいましたが、ケガをして、プロテニスプレーヤーへの夢をあきらめることになったとき「役者になりたい」という気持ちが、再燃しました。新しい夢に踏み出すきっかけをくれたのは、DVDで観た映画『男たちの大和/YAMATO』でした。心が揺り動かされました……。「自分も、人に影響を与えるような演技がしたい」と思ったんです。夢や目標を見い出し、踏み出せる「きっかけ」を与えられるような役者になりたい。そのことを父に話すと「自分の人生だ。やると決めたことならやりなさい」と背中を押してくれたんです。事務所に所属し、レッスンの日々が始まりました。「早く現場を経験したい」という一心でした。練習したことが現場で通用するのか、ダメなところはどこか知りたい、と思っていました。1年くらいしての初シゴトは、連続ドラマの生徒の一員でした。現場の熱意に触れて驚きとワクワクを感じると同時に、自分の力のなさを改めて実感もしました。本当にどうしていいか、右も左もわからなかった。だからこそ「踏ん張って頑張らないといけない」と思いました。踏ん張って、乗り越えて、「誰かのきっかけ」になれるような演技をしたい、今もその気持ちで頑張っています。満足したことは……、まだないですが、きっと満足しちゃったら、そこで成長が終わってしまうんじゃないでしょうか。だから、これからも満足はしないと思います! 必死で準備して、できる限り努力して、現場に臨む。現場が終われば反省し、次に向かう。今までもこれからも、毎日がその繰り返しです。
クリアすべき目標を
ひとつずつ
映画『アゲイン28年目の甲子園』でも、その繰り返しでした。皆さんにも観てほしいし自分でも印象に残っているのが、海岸でのシーンです。大森寿美男監督から映画にとってポイントとなる大切なシーンだと言われてもいましたから、相手役の太賀くんと何度も話し合って、稽古を繰り返しました。時間がかかる覚悟で挑んだ撮影でしたが、思いのほか早くOKが出たんです。
全員が集中し、ひとつになれたからかもしれません。少しうれしく、ホッとしたんですが、それでも撮り終わってから「やっぱり、こうすればよかったかも……」と、また太賀くんと2人で話したりして……(苦笑)いつもそうなんです、反省は尽きないし、どんどん別の方法が思いつく。いつもできあがった作品を観ると「へたくそだなあ、オレ」と思ってしまう。ですから、練習は止められないし、もっともっと経験を積みたいと思います。役者のシゴトは、毎日が「集大成」なんですね。経験と練習の成果が演技に出ます。新人の自分は経験が圧倒的に少ないですから、誰よりも練習をしないとダメなんですよね。クリアしなくてはいけない課題を、いくつも考えています。やるべきことは本当にたくさんあるんです。現場ひとつひとつで、いろんな経験を積ませていただき、感謝を忘れず、恩返しをするために頑張っていきます!
©重松清/集英社 ©2015「アゲイン」製作委員会
元高校球児が再び甲子園を目指す『マスターズ甲子園』を舞台に、28年前に甲子園をあきらめざるを得なかった主人公たちが、遠い過去の青春の悔いを乗り越えていく。日本を代表する実力派俳優陣と、フレッシュな若手俳優の競演も本作の見どころ!
■原作:重松清『アゲイン』(集英社「小説すばる」連載)
■主題歌:浜田省吾『夢のつづき』
■出演:中井貴一 波瑠 和久井映見 柳葉敏郎 門脇麦 工藤阿須加 西岡德馬 他