辻外記子
2015年1月5日05時06分
アレルギー科の医師が、関連学会の定める指針と違う治療をしている実態が目立つとする調査結果を厚生労働省研究班がまとめた。食物アレルギーによる呼吸困難などの症状の経験がある患者の例では、学会が勧める自己注射「エピペン」を処方するとした医師は約5割だった。
研究班は、2014年2~3月、アレルギー科を掲げる全国の医療機関に郵送によるアンケートを実施し、アレルギー関連の学会が示す病気ごとの標準的な治療がどれだけされているかを調べた。医師1052人が答えた。このうち、日本アレルギー学会が認めるアレルギー専門医は約30%だった。
アレルギーは、アトピー性皮膚炎や喘息(ぜんそく)、花粉症など多様な病気があり、全てに詳しい医師は少ない。
食物アレルギーなどでアナフィラキシーと呼ばれる症状が過去にあった患者には、緊急時に備え、その場で注射して病院に到着するまでの症状を和らげるエピペンの処方が推奨されている。だが、こうした患者の症例を示し、対処を選択式で問うと、エピペンを処方すると答えた医師は49%だった。
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