面白かった作品などをジャンルごとに書いていきます。2014年以前の作品もあります。あくまでも藤岡が2014年に体験したものの中から。順位は関係なく発表していくんですが、ベストワンだけ決めました。全ジャンルの中で最も面白く刺激的だった、藤岡のベスト・オブ・2014年はこちら!
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ベスト・オブ・2014年
nankadetekimaさんの漫画
2014年、ツイッター等で何度も紹介させてもらいました。「nankadetekima」さんの漫画です。ほとんどが2014年より前にピクシブなどで発表されているのですが、僕は1月ぐらいに初めて読んでぶっとびました。綺麗な絵!変な展開!エロい!エキセントリック!キュート!気持ち悪い!気持ちいい!7月から「電脳マヴォ」でも不定期連載が始まり、より多くの人に読まれていて勝手に嬉しい。フルカラーだから難しいみたいだけど単行本化してほしい。というか電子出版でもいいから早くもっともっと広まってほしい。だって単純に、この漫画を面白がる人はまだまだいるから。絶対。
・なんか出てきました!!(電脳マヴォのnankadetekimaさんのページ)
というわけで、藤岡が2014年に体験したもの総合ベストワンは「nankadetekimaさんの漫画」でした。ここからは、順位はなし。ジャンルごとに面白かったものを書いていきます。
★★★漫画・小説・本★★★
吉沢潤一『ギャル男VS宇宙人』
最高のドラッグ漫画。
風見2(@_Kazami__)さんの漫画
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絵柄、妙ちきりんな展開、コマのトび方、オチの付け方、かなりツボです。
真造圭伍『みどりの星』
本当に面白い。漫画でもなくマンガでもなく「まんが」って感じで。全4巻っていうのも最高。この話題の少なさ、おかしい。
山崎コータ『エレベーターガール』『まっしゅる~む』『みっくすじゅうす』
『エレベーターガール』の山崎コータ(@yamazakikota)さんの雑誌デビュー作『まっしゅる~む』を読むため月刊スピリッツ6月号を買いに。かじりついて読む。面白くてエロくて気持ち悪くてかっこよくてバカバカしくて最高! pic.twitter.com/VRto9tL8wZ
— 藤岡拓太郎 (@fujiokatakutaro) 2014, 4月 26
山崎コータさんの漫画、どれも面白い。早くどこか山崎さんに描かせてほしい。単行本も出たら絶対買う!
まず圧倒的に読みやすい。のに、濃密(いろんな意味で)。「小説」というものをいっさい読んだことない人にお薦め聞かれたらこれを教えたい。
改めて1対1の仕事をせなあかんというか、したいなと。漫画は接客業じゃないけども。1万人読者がいても「オレ対1万人」じゃなく「オレ対誰か」が1万パターンあるというイメージ。
"不特定多数が群がる駅前に出店して成功するタイプのビジネスと、そうでないタイプのビジネスがあるはずだ。"(117ページ)
"集まる人の多い場というのは、ある意味で少数を相手にする表現の可能性も大きくするということでもある"(338ページ)
燃えてきた。色々考えがまとまってきた。ほぼ日が別に好きじゃない人でも、ネットで仕事をしようと考えてる人ならこの本は面白いと思う。ネットってすごい可能性あるぞと、2001年に書かれたこの本に改めて教えてもらった。
糸井重里『ほぼ日刊イトイ新聞の本』。
— 藤岡拓太郎 (@fujiokatakutaro) 2014, 7月 29
雑誌「ニニフニ」第1号(2013年8月発売)
気になってたヘンな雑誌「ニニフニ」やっと読んだ。面白い!
http://t.co/Urnvh4df6M
自分にとって「興味ある人がほとんど載ってない1500円もする雑誌」だったのに、買ってしまった。これはデザインのパワー。 pic.twitter.com/UQlChn9vyS
— 藤岡拓太郎 (@fujiokatakutaro) 2014, 9月 4
山本さほ『岡崎に捧ぐ』
「まんが」のよろこびに満ちあふれてる感じがします。
やまもとありさ「273時間漫画制作配信展」
2014年、初連載「あいこのまーちゃん」をスタート直前に雑誌側から連載中止を言い渡されてしまったやまもとさん。それでも絶望することなく、同作の電子書籍化を目標にしたクラウドファンディングを開始。見事成功させ、12月にはその執筆風景をユーストリームで273時間(12日間)生中継するという企画を実行。僕自身も普通ではないやり方の漫画を発表方法を探ってるから、というのもあるんですが、とにかくやまもとさんの、壁にぶち当たっても常に「次の一手」を打つ、その先に何があるかも分からないけどとりあえず何かをやってみる、という姿勢にかなり刺激を受けました。
★★WEBサービス★★★
「note」
4月から始まった革新的なサービス。発想としてはそんなに目新しいところはないかもしれないけど、デザインによってこんなに新しいものに感じ、魅力的なものになるのかという。自分にとって「note」の最も魅力的なところは、作品に対して読者が手軽に課金・投げ銭ができるところ。自分もnoteを使って「リターン付き投げ銭」などを始めました。
★★★ドラマ★★★
『最高の離婚 special 2014』(2014年2月8日放送)
悔しいぐらい面白かった。笑った、という意味でも面白いシーンがいくつか。「生きねば」も笑ったけど、あとあの、光生(瑛太)がカンムリヅルをスマホで検索してるところに灯里(真木よう子)が開けたドアが当たるところ。撮り方とか編集とか含め、コメディ演出のセンス抜群やなと思った。演出、並木道子さん。
山田太一ドラマスペシャル『時は立ちどまらない』(2014年2月22日放送)
橋爪功が「俺たちは「ありがとう」と言うしかない」と語るシーン。中井貴一の家で、橋爪功と柳葉敏郎と神木隆之介が暴れるシーン。想像できなかった感情を見せてくれた感じ。中井貴一と柳葉敏郎が過去を精算するシーンも凄かった。
『アオイホノオ』(7月~9月放送)
面白かった。コメディ演出のほとんどが上滑りすることなくちゃんと面白くて凄く良かった。キャストも皆すごいハマりっぷりで、山本美月のトンコさんとかかなり良かった。佐藤二朗さんに関しては「面白かった」「楽しかった」だけでなく「笑った」。悔しいぐらい。
ドラマ『アオイホノオ』の佐藤二朗さん。なんか笑いがストロングスタイルというか、ストレートに変な人をやってしかも面白いっていうの、最近ギャグ漫画でもコントでも見てなかったからなんか悔しいわ。このままではすまさんぞ pic.twitter.com/MoJ0PX8Eu2
— 藤岡拓太郎 (@fujiokatakutaro) 2014, 9月 16
『ごめんね青春!』(脚本:宮藤官九郎 10月~12月放送)
面白いドラマだった!最低視聴率更新とか本当に不思議。錦戸亮、原先生という役にめちゃくちゃハマってて観てて気持ち良かった。どんどんサブいことやダサいことやっていきましょう。熱くなったもん勝ち。面白がったもん勝ち。
★★★映画★★★
『レスラー』(2008年、監督:ダーレン・アロノフスキー)
こんな地味な登場人物と舞台とストーリーでなんでこんなに面白いんだ。スゴイ。終盤の、民宿の布団での、ふたりの爆笑シーン。めちゃくちゃ面白かった。(こういうのもカタルシスっていうのか分からないけど)カタルシスも爆発してた。
『暴力脱獄』(1967年、監督:スチュアート・ローゼンバーグ)
『ときめきに死す』(1984年、監督:森田芳光)
開始3分で「うわぁ、いい」と思える人は、多分全編楽しめると思う。自分はそうだった。地味なシーンはエキセントリックに、派手なシーンはオーソドックスに撮る感じ、大好き。
ボニーの台詞「銀行強盗を始めた頃はすぐにどこかに辿りつける気がしてた。でも本当は旅を続けるしかないのね」
すごすぎた。
『SR サイタマノラッパー』(2009年、監督:入江悠)
傑作!会議室のシーン、ラストの定食屋のシーン…。リアリティが凄すぎる。
『エレクション』(邦題:ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!/1999年/監督:アレクサンダー・ペイン)
アレクサンダー・ペイン監督のコメディセンスは海外の監督で一番ぐらい好き。この人が日本映画に影響受けてるっていうの、なんかすごい分かる。日本の映画やお笑いでしか感じたことのない「間合い」をちょこちょこ感じる。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年、監督:マーティン・スコセッシ)
映画が走ってた。3時間という長さは全く気にならず。
★★★テレビ★★★
すっちー&吉田
こういう机の上で考えてるだけでは思いつかないであろうネタにあこがれる。
『ガキの使い』山-1グランプリ(1/26)で初めて観て、画面に釘付けになるほど面白かった。お笑いファンの間ではブレイクするだろうなと思ってたけど、まさか流行語大賞をとるほどまでポップになるとは思わなかった。実はひそかに、2014年プチブレイクした自分の『もぎたてTAKUTARO』と重ね合わせてるところがある。一見ポップでない気持ち悪いものでも、作者の想定以上に、ポンッと世間に受け入れられることがあるっていうのを見せた2つとして。ひそかに。ところで言うまでもなくエレキテル連合は「ダメよ~ダメダメ」だけのコンビではないので、それ以外のコント・実力をどんどん見せていける「場」に恵まれてほしい。
「ヤギを飼いたい母」(『探偵!ナイトスクープ』2014年2月21日放送)
ある種の狂気。狂気を見るとうっとりする。あとやっぱり「好き」を人目もはばからず、むき出しにしてる人が一番すごいなあ、と思う。
『LIFE!~人生に捧げるコント~ セカンドシーズン』(4月~9月放送)
個人的にはココリコ田中さんと西田尚美が出ているコントが群を抜いて面白かった。『ガキの使い』の「我が田中」シリーズとかもそうだけど、エキセントリックな役に入った時の田中さんは最強だなと。もう体の動かし方、顔の筋肉の動かし方全部が面白い。
『笑っていいとも!グランドフィナーレ』(2014年3月31日放送)
タモリ、さんま、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、爆笑問題、ナインティナインが揃ったシーン、釘付けになってしまった。すごすぎた。とにかく芸人ってすげぇ、テレビってすげぇと思いながらずっと見ていた。柳沢慎吾のアドリブ、中居正広や香取慎吾のスピーチも凄みがあった。この時のことはk助(@ksuke_99)さんがキャプチャ&色んな芸人さんが語った後日談などもたっぷりに素晴らしい記録を残されていますのでぜひ。→「笑っていいとも!グランドフィナーレ 感謝の超特大号(3/31)」(社会人が仕事もそっちのけでTVにRADIO)
『ニッポン戦後サブカルチャー史』(Eテレ 8月~10月放送)
宮沢章夫さんの語り口をはじめ、とにかく番組の雰囲気が良くて楽しかった。「亀田音楽専門学校」といい、Eテレの最近の「講義もの」は面白い。全回の中でなんか一番印象に残ってるのは、雑誌の回の、「デザインこそがメッセージである」という言葉。
めちゃイケ「1/24時間テレビ! 生エスパーだまし!!」(8/30)
めちゃくちゃ笑った。人間の汚いところを素晴らしく嫌らしく突きながらのドッキリ。
チョコレートプラネット「ポテトチップス」(キングオブコント2014)
見事な「ありそう感」。何回も観た。
「右手と左手の決闘」(「探偵!ナイトスクープ」11/21放送)
最高すぎた。ナイトスクープ見始めてまだ数年だけど、その中で「10年以上会話のない両親」と並んでベスト。
ロバート秋山『TOKAKUKA』(「オモクリ監督」11/9放送)
何回観ただろう。これは悔しかった。最高にくだらなく面白すぎた。もちろん歌の前の加藤綾子アナとのやりとり含め、最高。
FNSドキュメンタリー大賞「刹那を生きる女たち 最後のセーフティーネット」(11/29放送 ディレクター:田部井一真)
面白かった(とは安易に言えないけど)。ズシンときた。どっかで観れれば観るのをおすすめします。多重人格の場面とか凄かった…。
原口あきまさの東野幸治ものまね(「ものまねグランプリ」12/16放送)
「ものまねグランプリ」(12/16)原口あきまさの東野幸治ものまね最高すぎる。面白いし、東野幸治という芸人がいることも改めて嬉しくなるようなモノマネ。 pic.twitter.com/GEjXSXBHAK
— 藤岡拓太郎 (@fujiokatakutaro) 2014, 12月 17
かまいたち『職業相談所』(「オールザッツ漫才2014」12/29放送)
ダイアン西澤「陸上しかやってない人」、アインシュタイン、土肥ポン太も最高だったけど、今回のオールザッツのベストネタはこれ。「…で、おわり?」「大阪中の雇用がないわけないやろ」
以上!テレビでいうと、他には『バイキング』のサンドウィッチマンの地引き網クッキング中継、『噺家が闇夜にコソコソ』『家、ついて行ってイイですか?』『水曜日のダウンタウン』なども面白かった。面白いタレントだけでなく面白い作家、ディレクターもどんどん出てきてほしい。変な企画や演出をもっと見たい。誰と同期で昔どんなことがあったとかいうトークに終始する番組はもうどうでもいい。ネタが観れる番組はもっと増えてほしい。例えば天竺鼠が2013年のキングオブコントであれだけのコントを見せて、2014年、相変わらず『オールザッツ漫才』ぐらいでしかコントをやれてないのとかおかしいから。エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」以外のコントも、年末年始まではほとんど観られなかった。オーソドックスかつ革新的なネタ番組・・・無理なのかなぁ・・・。漫画に関しては、投げ銭文化などが浸透して新しい創作スタイルがどんどん生まれてほしい。自分も実践していく。