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himaginaryの日記

2015-01-05

ボルカーのインフレ鎮圧は誰の勝利だったのか?・その2

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昨日は、80年代のボルカーによるインフレ鎮圧はケインジアンの勝利だった、とクルーグマン書いたことへのStephen Williamsonの批判を紹介したが、David Glasnerも別の視点からクルーグマン批判している

以下はその批判の概要。

  • ただ、フリードマン流のマネタリストの見方も部分的に裏付けられたに過ぎない。というのは、ボルカーのインフレ鎮圧は、貨幣供給を厳格に管理したことによってではなく、高金利によって達成されたからである。当初ボルカーは貨幣供給の伸びを抑えようとしたが、k%ルールの導入は、貨幣の伸びが目標を超えると予備的動機による貨幣需要が生じるという奇妙な動学をもたらした。即ち、引き締めを予想した人々は、現金が手に入りにくくなるという恐れから資産を売り払って現金を溜め込もうとした。1981-82年には、皆がFRBの週次レポートの貨幣の伸び率に注目し、伸び率が目標を超えると株価や商品価格が下落する、ということが何回か繰り返された。1982年夏にボルカーが貨幣の伸びを目標とすることを断念した結果、1980年代の株式市場の大相場が始まり、景気もその後すぐに回復した。
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