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(撮影:常葉大学映像部)
一面新幹線「のぞみ」パンタ逆に ミス、12日間気付かず東海道新幹線で昨年五月、作業ミスでパンタグラフの部品を左右逆に取り付けた「のぞみ」が十二日間にわたり営業運転していたことが、JR東海への取材で分かった。架線切断などの事故には至らなかったが、JR東海の作業マニュアルでも逆に取り付けた場合の危険性を明記しており、専門家は「大事故につながりかねないミス」と指摘している。 JR東海や関係者によると、逆に取り付けていたのは、パンタグラフの最上部で架線に触れる「舟体(ふなたい)」(長さ一・九メートル、重さ約十二キログラム)。昨年五月十六日、下りの「のぞみ111号」が新横浜駅に到着する際、架線が通常より揺れているのに駅員が気付き、指令所に連絡。翌日の点検で、十二号車の舟体が傾き、左右逆だったことが判明した。 原因は作業員のミス。同月五日、大阪府の車両基地で舟体を交換した際、左右を逆にしてボルトを締めていた。点検役の作業員もパンタグラフを持ち上げたり接合部を目視したが気付かなかった。運転中の十二日間に六回あった車両検査でも見落とされた。 N700系とN700Aでは、舟体に一部が四ミリ程度へこんだ凹状の穴があり、同じ凹状の舟支えをはめ込んでボルトを締める。左右逆に取り付けない工夫だが、作業員が逆向きと気付かずにボルトを締め付けたため、接合部の片側が浮き上がり、三ミリほどの隙間があいていた。 JR東海関係者によると、舟体は空気抵抗を減らすため、進行方向逆側の下面の角を丸くしている。左右逆だと風圧で架線を押し上げる力が増し、本来の機能が損なわれる。JR東海は作業マニュアルで、逆に取り付けた場合、「舟体が傾いて取り付き、架線設備と干渉する可能性がある」「ボルトが完全に締結されずボルトが緩む」と危険性を明記している。 国土交通省は本紙の取材に「正常に取り付けられてないまま走行するのは安定輸送の面から好ましくはない」と話す。JR東海は「恥ずかしい限り。ミスを真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」と陳謝している。 東海道新幹線では二〇一〇年、「こだま」の舟体がボルトの付け忘れで脱落するなどして架線が切断される事故が起きている。 ◆看過できないミス<曽根悟・工学院大特任教授(鉄道工学)の話>パンタグラフは屋根の上で走行風にさらされながら、わずかな力で架線を押し上げる構造的に弱い装置だ。高速で走る新幹線の場合、押し上げ力が過剰に増せば架線を切断しかねず、大事故につながりかねない。設計にも保守にも細心の注意が必要であるにもかかわらず、五年前の事故に続き、同じ会社が新幹線の保守作業で二度目の大きなミスをしたことは看過できない。 PR情報
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