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青学大、歴史的圧勝 「ビジネスの手法」目標管理の徹底で持ちタイム向上

産経新聞 1月3日(土)20時37分配信

 アンカー安藤が両手を広げ、歴史的ゴールテープを切った。青学大が1918年の創部以来97年目、出場20回目にして初めて頂点を極めた瞬間だった。

 今回からコースの一部変更で正式な比較はできないが、東洋大(2012年)の大会記録を上回り、史上初めて10時間40分台に踏み込む圧勝に、原監督は「素直にうれしい。驚きを隠せない」と感慨に浸った。

 駅伝が青学大の強化指定部となり、原監督が就任したのが04年。当初は専用グラウンドはなかった。箱根駅伝は予選落ちが続き、07年には廃部の危機も。「半歩先を見つめながら、こつこつ積み上げた」。高校生にチームの夢と、その生徒自身の未来像を語って勧誘、徐々に戦力を整えていった。

 今回、過去2度あった5位より高みに上れたのは、複数の小さな変化が“化学反応”を起したからだ。今季からトレーナーを拡充し、新たな体幹トレーニングも導入、体のケアのため寮に水風呂も完備した。そして、選手に科す目標管理の徹底。昨季まで不定期だったものを月1度にした。「ビジネスマン時代の手法を使っている」とは企業勤めの経験のある原監督。選手は記録会や練習、生活面などの目標を細かく書き込み提出し、結果を過程も含めて振り返ることを繰り返した。

 「去年ぐらいからチームの5000メートルや1万メートルのタイムが上がって、自信につながった。だから大きな舞台でも失敗しない」と主将の藤川。全10区間のうち区間賞5、区間2位が3。神野や一色といったエース級だけでなく、脇を固める選手たちに厚み出たことが快挙につながった。(宝田将志)

最終更新:1月4日(日)0時11分

産経新聞

 

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