12 いい日旅立ち
旅行に出かけようと思った。毎度のことである。春夏冬の、学校が長い間休みの時は必ず旅行に行くのである。
大体1週間かけて、北の方をプラプラするのだ。そして決まって初日は萩の友人若森の所へ行く。
その若森が手土産をやるといった。どういう風の吹き回しなのかしらんと思い、何か手紙でも入っているのかと思ったが、桂小五郎の家紋のストラップしか入っていなかった。今日に限って珍しいと思ったが、真意は不明なまま広島へとんぼ返りした。
父がやってる店で、鶏肉だけ食わせてほしいと頼んだが、やってきたのはサラダと鶏肉と白飯だった。私にとってはフルコースだった。
食事を終えて再びバスセンターへ行こうと思ったが、財布を忘れたので店にとりに行きまたバスセンターへ向かう道へ、すると今度はカバンを忘れてしまった。私らしくない注意力散漫な珍事だった。
今度こそは大丈夫だったのでそのままバスセンターへ向かい、大阪行きのバスに乗り、大阪へ向かった。
バスから電車に乗り換えるためホームで待っていると中年のおっさんグル―プがいて、一人がたばこをふかし始めた。隣の私は当然煙たいのだがそれを言う勇気がなかったので黙り込んでいた。するとグループの一人がたばこのおっさんに注意してくれ、うちわで煙を仰いでくれた。それはいいのだが仰いだ煙がまた私の方に来るので、私は自分の扇子で仰ぎ返した。
大阪からは東海道本線、北陸本線を経由した。途中金沢で1時間空きがあったので、地下のコンビニで昼を食べた。ここのキヨスクのおにぎりは美味いのである。以前ここを訪れた時に食べたが、普通のコンビニのものとは全く違った。私は納豆おにぎりと、アスパラベーコンおにぎりを買い、あらかじめ持ってきたささみと鮭の缶詰を食べ、再び電車に乗った。
北陸本線は糸魚川を過ぎるとトンネルの連続だ。筒石という駅はトンネルの中にある珍しい駅で、寒そうにも見えた。人影があったので利用する人はいるみたいだが。
直江津からは信越本線に乗り換えた。途中二本松?(定かではないが確かそんな駅名だった)はスイッチバックの駅で、私はそのことを知らなかったので、運転士が操縦を誤ったと思ったがスイッチバックの駅だった。かなり大きな駅で高校生が多かった。
妙高高原で降り、予約していたホテルに迎えを頼み、ホテルへ向かった。山の上にあるホテルで、涼しいというよりも寒かった。ホテルに泊まっているのは私一人だけだった。 夜、ホテルの女将が私の所へ、サービスで妙高の郷土料理を作ってくれた。寿司である。私はいままでこのようなサービス絵を受けたことがなかった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。