挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
海潮鏡 作者:田村 虎之亮

5 身内への対応

 またある人に拒絶された。今回の場合は理由がはっきりとしているのでまだましな方である。原因は私にあった。相手は同じ学校の、同じクラスの、所謂「身内」である。身内に嫌われたということほど、困ったものはない。今後どう接していけばいいか分からないからだ。3年間同じ学校で過ごし、もしかしたら3年連続同じクラスになるのかもしれない。だからこそ、身内との関わりは大切なのである。持ちつ持たれずの関係を築くことが一番であるのだが、築けなかった。
 私は悔しかった。こうもあっさりと失ったことが、そしてまた、密かに手を切ったことが、たまらなく気に食わない。卑怯だ、こいつは不条理だ。頭の中でそのような言葉が頭の中をよぎるが、失ってしまったものは仕方がないとして、まだ糸がある友人との関係を大切にしていければ、それでいいのだ。
 人間関係ほど、崩れやすいものはない。だが、場合によっては、絶対に崩れない鋼の関係を築けることも、できる。 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ