4 待ちぼうけ
梅雨入りの時期に入った。この時期の雨というのはどうも苦手だ。湿気の匂いが実に厭でならない。何故いやなのかと聞かれたら答えようがないが、とにかくこの時期が嫌いなのだ。
ある雨の日、梅雨ではなく年末の雨だったが、私はある友人と食事に行く約束をしていた。鳥取の友人で、しょっちゅう会うことはできないので盆と暮れと春休みにしか顔を合わすことはできない(文書でのやり取りなら毎日できるが)ので、楽しみにしていた。待ち合わせ時間は午前9時、富山へ旅行に行った帰りについでに寄っていくという形なので早い時間から待ち合わせができた。 しかし、待ち合わせ時間になってもなかなか来ない。するとメールがきて、「メールの調子が悪くてメールを見れず手間取っている。もうよそへ行ってるよね」
と、来た。よそへ行ってるものだと思っていたらしいが、食事を提案したのは私だ。私が移動するのはおかしいはずだ。私はその友人が来るまで待つつもりでいた。どんなに待ちぼうけを食らってもいいから、会って話がしたいのだ。と、心の中で叫び、来るのを待った。
3時間くらい待ってると、走りながら来る友人の姿が見えた。私は一言「ご苦労」と言って、カフェへ向かった。
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