| | 爆心地近くの国民学校の児童だった被爆者の体験記が読める企画展「児童と原爆」=国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館
|
|
長崎原爆投下当時、爆心地近くの国民学校に通っていた被爆者の体験記を展示した企画展「児童と原爆」が1日、長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で始まった。被爆70周年企画に関連して開催。被爆の傷跡を訴えた手記計63編を読むことができる。
同館が保存する被爆体験記の中から、爆心地から2・1キロ以内にあった城山、山里、銭座、西浦上、稲佐、西坂の六つの国民学校の児童や教職員だった被爆者の手記を選び、学校の被爆状況を写真などで示したパネルと共に並べている。
同館は4月、被爆70周年企画として、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市)と協力し、子どもの被爆体験記をテーマにした企画展を予定。長崎では被爆医師の永井隆博士が1949年に出版した山里小児童の手記「原子雲の下に生きて」に焦点を当てる。
昨年は「被爆70年を前に体験記を残したい」という被爆者から、長崎の祈念館に例年の3倍近く体験記が寄せられた。智多正信(ちたまさのぶ)館長は「被爆者が減少し、継承の方法が限られる中、祈念館の役割は大きくなっている。財産である体験記を世界に発信する方法を模索したい」と話した。