相模原市:横浜線を地下化へ 補給廠と市街地を一体開発
毎日新聞 2015年01月04日 12時26分(最終更新 01月04日 13時00分)
相模原市が在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)の返還地(15ヘクタール)の開発に合わせ、隣接するJR横浜線の地下化を検討していることが分かった。同線の相模原駅周辺は線路で分断されているが、返還地と市街地を面的につなげることで、一体的なまちづくりを進めるのが狙い。実現すれば同市では過去最大規模の開発で、相模原の街を大きく変えることになる。【高橋和夫】
市内ではJR東海が2027年に開業を予定しているリニア中央新幹線の「神奈川県駅」が、JR・京王線橋本駅近くの県立相原高校(移転予定)敷地に設置される。市はリニア新駅周辺の整備と併せて返還地の開発を進め、市の核となる新都心の構築を構想。返還地にはコンベンション施設や行政機関、商業施設などが設けられる予定だ。
新都心づくりの開発効果を上げるための最大のネックとなっているのが横浜線だ。市は今年度から橋本−相模原−矢部駅間(計約5キロ)で地下、高架を合わせた連続立体交差化に向け、地盤や環境などの調査を始めた。
地下化には高架構造の倍以上の費用がかかるため、市はJR東日本と調整。相模原駅周辺だけを地下化するか、橋本−矢部駅間までを地下化するか、15年度末までに結論を出すことにしている。また、相模原駅では小田急多摩線の延伸でできる新駅が地下になり、横浜線と接続することから、現在地上にあるJR相模原駅も地下化する方向で検討されている。
相模原駅は1941年4月、相模原軍都計画の中心駅として旧陸軍造兵廠の南側脇に開業。終戦直後、造兵廠は米軍に接収された。市役所をはじめ行政機関の最寄り駅でありながら駅の入り口は長年南口だけしかなかった。98年の橋上駅化で北口が設けられたが、利用客はまだ少ない。補給廠の全面返還と、それに伴う相模原駅周辺の大規模開発は長年、市政最大の課題となっていた。
加山俊夫市長は毎日新聞の取材に「地下化で大きな開発効果が生まれる。100年先のまちづくりを目指したい」と述べ、強い意欲を示している。